プチ怖バナシ

病棟で 1

20年くらい前にトツナンで入院した時のことです。

東京八王子の病院に、十日間ほど入院しました。

私がいたのは4人部屋で、自分は廊下側のベットでした。

その病院は、外来を治療する病棟のみ古い建物でしたが、入院病棟は新しく、まったく不気味さや怖さを感じない建物でした。

同室の患者さんは、長くいる人すぐ退院する人さまざまで、私が入院している間に向かい側のベットの方も数回変わりました。

その中で、お話を交わした方の一人が言っていたことです。

「夜中にね、眠れなくているとね、

　パッタパッタ廊下を歩く足音がするのよ。

　毎晩ゆっくり、パッタパッタ

　行ったり来たりしてるの。

　こんな夜中に散歩でもしてるのかなーと

　いつも不思議でね」

その話を聞いて、私も廊下側に寝ているのに全然聞いたことないなと思いました。

自分も寝つきが悪いし、寝てるんだか起きてるんだかわからないままいつの間にか朝が来る感じでしたから。

言われてから、なるべく夜中覚醒して、その足音を聞いてみようと思ったんですが結局。

一度も聞けなかった。（つまりは寝てた？ってことですかね(￣▽￣;)）

後から思ったんです、そんな夜遅くに廊下を歩くなんて、普通患者ならしないはず。看護師さんに咎められますよね？　それともナースステーションを避けて歩いてたのか？　

当時は全然怖くなかったけど、今にして思えば彼女が聞いた足音はもしや、って。