6

翌日目を覚ませば、琥珀は獣の姿ではなく人形に戻って寝ていた。

暖かいから別にいいのだけれど。

むくりと体を起こせば、琥珀も目を開けた。


「・・・おはよう、琥珀。」

「おはよう、皐月。」


周りを見れば、朱桜も青にぃも雪華も傍で固まってみんな寝ていた。

みんな仲良しだな~。

大きく伸びをして、晴明さまに準備してもらった直衣に着替える。

身舎の春宮さまを覗けば、昨日よりも幾分か顔色が良くなっていた。

熱も下がったようだし、よかった。

しばらくすると朝餉を持った女房がやって来て、私と春宮さまの分の朝餉を置いていってくれた。

私の分もご飯があるの、奇跡!!!

女房の方には多少驚かれたものの、今まで男性でも梨壺で春宮さま以外は生活をしていないみたいだし、仕方がないか。と思う。

春宮さんは起きる気配がないから、そのまま寝てもらって私は先にご飯を頂こう。

朝餉をいただきながら、神将たちと一緒に今日の予定を確認する。

朝餉を食べている間に、晴明さまからの返事が来ていた。



[昼過ぎに、清涼殿にて]


と簡単な文だったけど、今が何時かわからないからあとで教えてもらうことにする。

うまくいけばすぐにでも結界を張り直せるかもしれないし。

なんて考えながら、用意していただいた朝餉はきれいに食べた。


私が朝餉を食べ終わった頃に春宮さまが目を覚ました。

いわく、久しぶりに熟睡できたという。

睡眠大事だよね。

と思いながら、晴明さまから届いた文を見せると、執務の間に時間の都合をつけて一緒についてくれるという事。。

青にぃと雪華に結界を張り直すのに必要なモノの準備を頼み、今は帝が執務をこなす清涼殿にいる。


「結論から言わせていただきますと、今すぐにでも結界を張り直した方が安全です。」

「時平、ここの結界は相当強く張ってはおったが私でも時間がかかった。」

「そこは問題ないです。今私は絶好調なので。なので承香殿で舞う許可をください。」


陛下と晴明さまに直談判すると、渋い顔を晴明さまにされた。

陛下は晴明に任せるといった感じだが、場所の使用許可は主人の帝に得るのが確実だ。


「準備はどうする?」

「それは、大丈夫です。私の配下のモノが準備をしてくれています。」

「神将と舞うのか?」

「そうです。一通り知識は持てますし、舞はお父様と、神将達に教え込まれましたから大丈夫です。なので承香殿の使用許可をください。」


にっこり有無を言わせぬ笑みを浮かべ許可をもぎ取ると早速承香殿へと移動をする。

儀式自体は見られても構わないので、そこは許可をしたが準備できるまでは邪魔なので立ち入り禁止にしてもらった。

柏手を打ち場を清める。

青にぃの水の神気を帯びた水で禊をして、一気に体が冷える。

そばには朱桜が来てくれるので、少し暖かい。

少し体温が戻ってた後で、白の直衣に着替えた。

それに細い太刀を差し、準備はできた。

雪華は一緒に舞うので、千早の衣装にいつの間にか着替えていた。

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