ある子ども向けのスパンキング用品の話(F/F、M/f、F/f、パドル、試し打ち、子どものお仕置き事情)
大型スーパーの奥にある「スパンキング用品コーナー」。
そこには家庭用の子ども向けスパンキング用品がずらりと並んでいた。
この世界では多くの国が法律で「義務教育が始まった年齢から子ども用のスパンキング用品の使用を許可する」と定めている。
安全のため規格も素材も厳格に統一され、メーカーはわかりやすくカラフルなデザインで各種道具を販売していた。
親や保護者は食料品や日用品と同じ感覚で子どものためのスパンキング用品を買いそろえる。
だからこそ大型スーパーには必ずといっていいほど、この専用コーナーが設けられていた。
***
その日の夕方。夕食の食材を買いに来た母親は、食品売り場に行く前に悩みを抱えながらこのコーナーに足を踏み入れ、しばし棚を眺めた。
棚の端には、今まさに家で使っている小さめのパドルが並んでいる。
赤やピンクの鮮やかな色合い、そしてパッケージには大きく《初めてのお仕置きのお道具に!》と印字されている。
その文字を目にした瞬間、母親は数年前、娘に初めてパドルを手渡した日の記憶を思い出した。
***
――娘が義務教育に上がったばかりの頃。
年齢的に道具を解禁できるようになり、母親はその謳い文句に引かれて初めて娘の為にパドルを買った。
「これから悪いことをしたら、パパとママの手だけじゃなくて、これでお尻ぺんぺんするからね」
家でそのパドルを見せられた娘は顔を真っ赤にして「やだぁ!!」と泣きわめいた。
後日お仕置きを受ける事になった娘は、両親のそれぞれの膝に交代で乗せられて、小さなお尻に初めてパドルが振り下ろされた。
パァン!パァン!
「ごめんなさい!いたいぃぃ!お道具やだぁ!」
初めてだったのもあり回数は多く叩かなかったが、その時の必死な娘の表情と泣き声、そして赤いお尻を鮮明に覚えている。
あれ以来、平手とパドルを組み合わせてのお仕置きは我が家の日常になった。
***
それから数年、最近では慣れてしまったのか、叩かれた痛みを忘れるのも早くなり、すぐにまた同じことを繰り返す。
(喉元過ぎれば熱さを忘れる……とは、このことね)
母親は棚を見つめながら苦笑する。
成長に合わせた道具を選ぶべきなのはわかっている。だが、子ども用スパンキング用品は大人用のように種類が多くなく、推奨年齢の目安はパッケージにあるものの(結局同じなのでは?)と選べずにいた。
そのとき、ふと目に入ったポップに気づく。
《本日、専門係員による相談&試し打ち実施中》
このスーパーでは週に一度、資格を持つ専門係員が派遣され、設置されたブース内で商品の試し打ちを体験できる。
母親は小さく息を吸い込み、思い切って係員に声をかけた。
「すみません、相談してもいいでしょうか」
「はい、もちろんです。お悩みは?」
「娘が成長して、今のパドルでは効き目が薄くなってしまって……」
「なるほど、お嬢様のご年齢は?」
母親が係員の質問に答えていくと係員は適切な道具を選んでいく。
「でしたら、やはりこちらの年齢層向けのパドルが適切ですね。せっかくですので試し打ちされますか?」
その言葉に母親は戸惑いたものの頷いた。
***
案内されたのは、カーテン付きの小さなブース。
試着室のようだが、中には台が据えられていた。
母親は少し頬を染めながらも下着姿になり、台に手をついてお尻を突き出す。
係員は慣れた口調で説明を始めた。
「最初は軽量木製パドルです。鋭く響きますが、赤みは浅めです」
バチンッ!
母親は「んっ」と短く息を詰める。
「大人のお尻では軽い程度ですが、お子様のお尻では倍以上に感じますね……次は革張りパドルです。打撃が深く、音も重く残ります」
バシンッ!
「うっ……響きますね」
打つ度に鏡で母親のお尻の赤みを指し示しながら、係員は説明を続ける。
「こちらは赤みが残りやすく音も大きめなので、心理的な効果も高いです……最後は穴あきパドルです。空気抵抗が少なく鋭い痛みになります」
パァンッ!
「ひっ……」
母親の声がわずかに震えた。
「これは赤みが濃く、痛みの持続も長いタイプでこの年齢層では一番痛みを感じるものになります。」
試し打ちが終わり母親は身支度を整えながら、鏡に映った自分のお尻を思い返し、静かに頷いた。
(これなら……きっとあの子にも効くはず)
***
ブースを出ると、係員が改めて尋ねた。
「いかがでしたか?」
「この穴あきにします。これならあの子も心から反省するかと……。やはり壊れていないからといって、小さい子向けの道具をずっと使い続けるのは良くなかったのでしょうか?」
係員はやわらかく笑みを浮かべた。
「お客様のように悩まれる方は大勢いらっしゃいます。低年齢向けでも反省する子はいますし、大人の方でも子ども用で十分効く話もございます。」
「その子によって違う、ということでしょうか?」
「そうですね。道具も様々ですし、お仕置きのされ方も様々ですから」
母親はその言葉に安心したように微笑み、深く頷きお礼というと新しいパドルをかごに入れ、食品売り場へと向かった。
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