前世デカー俺の最強バディは俺だった!?

@ajtgjm159

第一章 三途の川を渡りそこねた男

第1話

 満開の桜がチラホラ散り始めた今日この頃、南淀川署の巡査部長、烏丸大介はほろ酔い気分で淀川の土手の道を歩いていた。短髪に子犬のような愛らしい顔をした大介は上背があるわけではないが柔道と空手が得意な若者。今夜は大介の送別会。明日からの新しい職場を考えるとタレ目がますますタレてしまう。この度、大介は子供の頃からのあこがれだった刑事に任命されたのだった。


 これからの事を考え、ニンマリしながら歩いていると橋のたもと、薄暗がりのところで誰かが揉めている様子が見えた。

ん、なんだ?

近づきながら目を凝らすと1人の老人を若い男が3人で小突いたり蹴ったりしている。

「コラァ!何してるんだ!」

大介は駆け出した。先程までのほろよい気分は吹っ飛び、大介は一人の男の肩を掴むと若い男達と老人の間に素早く割って入った。若い男達はジロリと大介をにらむ。

「なんや、お前?」

「痛い目にあいたないやろ。あっちいけや。」

肩を掴んだ大介の手を叩き落とそうとした。だが素早く大介はその手を掴むと後ろ手に捻り上げた。

「おじいさん一人に元気な兄ちゃんが3人は穏やかちゃうやろ。」



うずくまるおじいさんを見るとどうも酔っ払ってる様子。

「何すんねん。ジジイがぶつかってきたんや。医者代もらわんとなあ。」

鎖をジャラジャラさせた男が取ってつけたようにイタタと腕をさすった。

「そうそう、だから邪魔すんなって。」

3人の男は睨みつけながら、大介を取り囲むように近寄って来た。

「ふーん、 怪我してんなら救急車呼んだるわ。」

大介がスマホを取り出そうとすると、男たちは一斉に大介へ殴りかかってきた。


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