第42話 伝授

「ええと、あなたは誰?」

「忘れた」


「思い出させてあげようか」

「頼む」


 脳があるか判らんが、ニューロン細胞みたいなのに記憶されているはず。

 構造が人間と同じなら出来る。



「【翻訳】」


――――――――――――――――――――――――

翻訳スキル

┌──────────┐ ┌──────────┐

│日本語      ▼│→│英語       ▼│

└──────────┘ └──────────┘


 記憶を呼び覚ます。


🎤


 Reawakening memories

――――――――――――――――――――――――


「【文字置換】」


 文字置換での呪文はこんな感じ。


――――――――――――――――――――――――

文字置換スキル


┌────────────────────┐

│侍魔法言語変換            ▼│

└────────────────────┘


 【Reawakening memories】


📕


 【もらった! この戦は勝利が見えた! あ!! なんと申した、良くぞ申した、褒めてつかわす!! ザシュ(斬撃)♪ くっ、死ねるか(床引っ掻き音)♪ 不満じゃ。次々に難題を。ふむっ。手を打たねば。憤怒じゃ。このような問題は捨ておけ。く…… 誰ぞ呼べ…… 茶器!(驚) くっ、割ってしもうた!(驚) 酒。(笑) 恐悦至極(笑) 乱世。そうよのう、楽しむ時は楽しむのじゃ。甲冑!(驚) ふむ、整えさせよ、急ぐのじゃ!(驚) [幕]忍者? 書状を届けよ、褒美なら帰ってからでは不満か? 死。謀殺とはのう。忍者? 何用じゃ? キンカンかっ? その曲者を斬れ、なぜ斬らん? 謀反だ!(驚) そうか、あ奴がな、これは報せた褒美ぞ!(驚) 城!(驚) 与える、忠義を尽くせ!(驚) く…… 泣くほどのことか、わしも目頭が熱くなったわ…… 掛かれ!! 一度死んだ身、怖い物などないわ!! 】

――――――――――――――――――――――――


 無詠唱。

 手ごたえは合った。


「うむ、思い出した。ふんっ! なるほどな。そんなことがあったのか? 助けてやろう」

「ええと、何を助けてくれるんだ?」


「魂についてと、魔力と、まあ色々と教えてやる」

「是非、聞かせてくれ」


「よろしい」


 この衝撃は、さっき手口が判らなかった攻撃に似てる。

 そして、全てを理解した。

 こいつは、魂から作った魔法生物だな。


「ありがとう」

「礼には及ばない。子孫をよろしく頼む」


「ああ、約束する」

「私の役目は終りだ。世界意識と合流しよう」


「名前を教えてくれ」

「ハンフだ」


 そういうと、魔法生物は消えた。

 ここから、出よう。

 玉座の後ろに通路がある。

 金属探知に反応はない。


 進むと、金属の扉があって、鍵が掛かってて、内側からしか開かないようだ。


「【翻訳】」


――――――――――――――――――――――――

翻訳スキル

┌──────────┐ ┌──────────┐

│日本語      ▼│→│英語       ▼│

└──────────┘ └──────────┘


 鍵開け。


🎤


 unlock

――――――――――――――――――――――――


「【文字置換】」


 文字置換での呪文はこんな感じ。


――――――――――――――――――――――――

文字置換スキル


┌────────────────────┐

│侍魔法言語変換            ▼│

└────────────────────┘


 【unlock】


📕


 【誰じゃ? その方か、なんぞ用か、申してみよ? 乱世。その方もそう思うか。いかん退け…… ここが潮時か…… キンカンかっ? その方が裏切るとは、なぜじゃ? ふっ、まいった。(驚) そちの策に乗ろうぞ(驚) 出陣!! 次に褒美を与えるのは誰じゃ、奮戦せよ!! 】

――――――――――――――――――――――――


 無詠唱。

 鍵が外れた。


 簡単な金属の鍵なら、針金でも開く。

 子供の頃、良く遊びで開けたものだ。

 イメージはばっちり。


 開けると滝の裏だった。


「【翻訳】」


――――――――――――――――――――――――

翻訳スキル

┌──────────┐ ┌──────────┐

│日本語      ▼│→│英語       ▼│

└──────────┘ └──────────┘


 魂への攻撃を防御。


🎤


 Defend against attacks on the soul

――――――――――――――――――――――――


「【文字置換】」


 文字置換での呪文はこんな感じ。


――――――――――――――――――――――――

文字置換スキル


┌────────────────────┐

│侍魔法言語変換            ▼│

└────────────────────┘


 【Defend against attacks on the soul】


📕


 【茶の湯。(笑) 茶会じゃ仕度せい。(笑) あ!! この石は全部死んでおるな!! 構わんぞ!(驚) 一番槍を許す!(驚) く…… 泣くほどのことか、わしも目頭が熱くなったわ…… 茶器!(驚) くっ、割ってしもうた!(驚) 関白!! その方に、対処を任せたぞ!! [幕]そりゃ!! 活路を開いた、突撃いたせ!! 合戦だ!! ここが天下分け目の合戦ぞ!! 飢饉…… くっ、このような時に…… 酒。(笑) 慰みぞ(笑) 茶器!(驚) 恩賞じゃ、与える(驚) おのれ…… 好敵手に後れを取って悔しいのか、次で汚名をそそげ…… おー!!!!!!(ときの声)♪ ふっ、反撃ののろしを上げよ!!(ときの声)♪ [幕]ぬぬっ…… 伏兵か、退け、退けい…… ボー(ほら貝)♪ 戦の合図じゃ、馬引けい、ブルル(馬)♪ ふん! 常勝のわしに挑むとは愚かな奴じゃ! ザシュ(斬撃)♪ お主が謀反とは(舌打ち音)♪ ふっ、まいった。(驚) 撤退せよと伝えよ(驚) 軍馬じゃ!(驚) そちに与える、ただし、次の戦では手柄を立てよ!(驚) 愉快!(笑) みな励め、忠義者が多くて、わしは満足じゃ!(笑) [幕]安穏じゃ! 何事もなしじゃ! 乱世。正にな、焼き討ちかのう。[幕]むっ…… これは敵わぬ…… やるのう。ここからじゃ。む? これは難しき問題ぞ? [幕]おのれ…… 謀ったな、だが毒が少ないぞ…… 忍者じゃ? 斬れ、敵ならば斬れ? 馬じゃ!(馬のいななき)♪ 早馬じゃ、急げ!(馬のいななき)♪ 武者ぶり! その方の出番じゃ! 】

――――――――――――――――――――――――


 無詠唱。

 洞窟から出る。

 魂の防御に攻撃の反応があった。


 魂って何なのかというと、簡単に言うと魔力で作った脳のコピーだ。

 そして、魔力とは何かというと、ハンフの推測では神の体そのもの。

 道理で、魔法言語の登録に神が関わるわけだ。

 ハンフは魔力の魔法使いで、研究者。

 3大門派のひとつと名前が同じだけど、関係があるのかは知らない。

 敵になるかも知れないから、訊かなかった。


 さて、反撃だ。


「【翻訳】」


――――――――――――――――――――――――

翻訳スキル

┌──────────┐ ┌──────────┐

│日本語      ▼│→│英語       ▼│

└──────────┘ └──────────┘


 魂の痕跡を辿って、魂への攻撃。


🎤


 Follow the soul's traces and attack the soul

――――――――――――――――――――――――


「【文字置換】」


 文字置換での呪文はこんな感じ。


――――――――――――――――――――――――

文字置換スキル


┌────────────────────┐

│侍魔法言語変換            ▼│

└────────────────────┘


 【Follow the soul's traces and attack the soul】


📕


 【構わんぞ!(驚) 婚姻を許す!(驚) さっ、一献。(笑) 礼など要らぬ、働きに応えただけよ。(笑) 卑怯な…… 所詮、相撲よ、熱くなるでない…… いかん退け…… 天は我を見放したか…… キンカンかっ? その方が裏切るとは、なぜじゃ? 矢銭やせんじゃ。使者に立ってもらうぞ。[幕]むっ…… これは敵わぬ…… やるのう。ここからじゃ。む? これは難しき問題ぞ? [幕]おのれ…… 謀ったな、だが毒が少ないぞ…… 忍者じゃ? 斬れ、敵ならば斬れ? 馬じゃ!(馬のいななき)♪ 早馬じゃ、急げ!(馬のいななき)♪ 御合戦恩賞。(驚) 天晴だ、褒めてつかわす!(驚) 愉快!(笑) みな励め、忠義者が多くて、わしは満足じゃ!(笑) [幕]むっ…… これは敵わぬ…… 家中かちゅう! 獅子身中の虫など、斬ってしまえ! ザシュ(斬撃)♪ お主が謀反とは(舌打ち音)♪ かっ、ぬかった…… 風雲急を告げるとは…… く…… なんのこれしき…… 愉快!(笑) 死なんぞ、死んでおらん!(笑) [幕]飢饉…… 買うしかなかろうな、商人を呼べ…… 茶器!(驚) くっ、割ってしもうた!(驚) 関白!! その方に、対処を任せたぞ!! [幕]ぬぬっ…… 伏兵か、退け、退けい…… ボー(ほら貝)♪ 戦の合図じゃ、馬引けい、ブルル(馬)♪ ふん! 常勝のわしに挑むとは愚かな奴じゃ! ザシュ(斬撃)♪ お主が謀反とは(舌打ち音)♪ ふっ、まいった。(驚) 撤退せよと伝えよ(驚) 将軍。(笑) 将軍にも何か献上しておこうぞ。(笑) [幕]むっ…… これは敵わぬ…… やるのう。ここからじゃ。む? これは難しき問題ぞ? [幕]おのれ…… 謀ったな、だが毒が少ないぞ…… 忍者じゃ? 斬れ、敵ならば斬れ? 馬じゃ!(馬のいななき)♪ 早馬じゃ、急げ!(馬のいななき)♪ 武者ぶり! その方の出番じゃ! 】

――――――――――――――――――――――――


 無詠唱。

 俺への魂への攻撃がやんだ。

 ちなみに魂だけど、亜空間に存在する。

 天界と地上世界の狭間だ。

 質量はないから、重なっているらしい。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る