<コメント>

 今回のお題は「辞書・デマ・紅葉」でした。「辞書」を僕が出しました。

 「辞書」は言葉の一体系という比喩で使われることがしばしばあります。「我が辞書に『不可能』の文字はない」というナポレオンの言葉は有名です。「辞書」にもいろいろと種類があり、国語辞典、漢字辞典、英和辞典、ことわざ辞典、数え方の辞典などなど。今回のために国語辞典を買ったのですが、改めて読んでみると面白いですね。「デマ」は近代的なワードです。戦時中のプロパガンダや生成AIを使ったフェイクニュ―ス等、社会問題として取り上げられます。「紅葉」は季節ものです。最近は秋が短くなったのであまり実感は持てませんが。個人的には、京都・奈良のような歴史情緒溢れるイメージが強いです。

 昔の自分の作品を読み返してみると、最近尖ったものを書いていないな、と感じたので、今回はかなり実験的な作品にしました。せっかくお題に「辞書」があるので、そこから言葉と説明文を抽出し、並べることで物語を作ってみました。その分、ストーリー自体はかなり簡素になってしまっています。残り二つのお題の制限的にも難しかったです。形式にあったストーリー(辞書を作る話など)だったら、もっと面白かったのですが。

 辞書で遊ぶということで、できるだけ幅広い見出し語を使うようにしました。接頭語、ことわざ、和歌、古語、季語、など。説明文によるイメージの膨らみを利用し、比喩や暗示もしたつもりです。もっとよくできる部分は感じているので、もう少し国語辞典に馴染んだら、また挑戦したい気もしています。

 まあ、そもそも、今回のストーリーがちゃんと伝わっているか怪しいのですが。

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第73回 じ-しょ【辞書】言葉を集め一定の順序に並べて、発音・意義・語源・用法などをしるした書物。辞典。 佐々木キャロット @carrot_sasaki

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