第7話 バーガーを喉に詰めてみた。本当のリープの鍵は?!

【これまでのあらすじ】


 資本主義を食い尽くせ!

 ドーナツ・トランペットの望みはただひとつ、“王様”になること。

 バーガーを喉につめれば、タイムリープできると気づいたドーナツ少年は、一息にビッグパックを呑み込んだ!

 バーガーとタイムリープが、ドーナツを王の階段に登らせていく!


。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。


 ぼんやりと世界が明るくなる。


 意識を取り戻した瞬間、俺はファイティングポーズをとった。リブの襲撃に備えなければ。今度こそ、アイツに逆クロスカウンターを――。


「ドーナツ!」


 いきなりのタックルだ! 正面から俺を押し倒し、首のあたりをぎゅうぎゅう締め上げ、全体重でのしかかってきた。


「うおおおおおっ」


 渾身の力で突き飛ばす。ぎゃっとカエルが潰れたような声がして、床に転がり落ちたのはママ・マカロンだった。


「何するの、この子は!」


「ママ? なんで?」


「ドーナツがビッグパックを喉につめて、病院に運ばれたんでしょう」


 見回すとパイプベッドに白い壁。消毒液の匂い。確かに俺は病室にいた。


「なんで病院なんだよ!」


「だから、ビッグパックを喉につめて……」


「そうじゃない! なんで俺はタイムリープしてないんだ」


「ドーナツ。やっぱり、変なクスリやってるでしょう」


 ママは恐ろしそうに言うと、そそくさと病室を出て行った。どうせ医者にでも言いつけにいっただんだろう。だが、今はそれどころじゃなかった。


 どうして、俺は過去にぶっ飛べなかった?

 

 一体、何が違ったんだ?


 俺は、最初の時と同じように、ビッグパックを食べた――いや、そうじゃない。

 

 俺はひとつ、大きな違いに気づいた。

 

 まさか――。


「ビッグパック、101個だ!」


 『パクドナルド』の店内に飛び込むと、俺はかみつくように言った。


「101個だって?」


 店長のパクドナルドが、驚いたピエロみたいな顔をする。


「いくらなんでも小学生に101個は無理だ。今までの最高記録は……」


「100個。プロレスラーのパイスタック・カルボナーラが食ったっていうんだろ」


「あ? ああ……良く知ってるな」


 俺は、カウンターの上にドンと金を置いた。さっき、あわてて病室を出て行ったママ・マカロンが置き忘れた鞄から、小遣いを多めに前借りしておいたのだ。


「さっさと作らないと、パパに言いつけるぞ。この店の家賃を値上げした方がいいって」


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