あまやどり~清楚巫女さんの甘々囁きおもてなし~

ハイザーク

1.「雨中の邂逅、おもてなしの始まり」

//環境音:静かな雨音(屋外)


(微笑みかけるように)

「こんにちは、雨宿りですか?こんな山の中にお一人で」


//事情を説明する主人公


(心配そうに)

「なるほど、道に迷ってしまったのですね、それは困りましたね…」


(優しい口調で)

「ともかく、そこにいては十分に雨風をしのげないでしょう」


「ひとまずは私の傘にお入りください」


「どうぞ遠慮なさらずこちらへ」


//ヒロインの傘に主人公が入る

//環境音:傘が雨を弾く音


(静かに嬉しそうに微笑む)

「フフフ…」


//ヒロインについて尋ねる主人公   

「えっ?私ですか?これは失礼しました。私は近くの神社で巫女をしております

椿(つばき)と申します」


「それよりも、行く当てが無いのでしたら、私の神社にいらっしゃいませんか?」


「たいしたおもてなしはできませんが、困っている方を放ってはおけませんので」


(言いかけるように)

「それにこの辺りは…」


(耳元で悪戯っぽく囁き)

「鬼が出ると言い伝えられている土地です」


「あなたのような美味しそうな方は、食べられてしまうかもしれませんよ」


(静かに笑いながら)

「ふふっ…さあ、こちらです」


「濡れないように、身を寄せ合いましょう」


「はぐれないように、私の手もしっかりと握っていてくださいね」


「それでは、参りましょう」


//場面転換、室内へ


//環境音:静かな雨音(屋内)

//SE:襖の閉じる音


「こちらが客間です、何もないところですが、どうぞお座りください」


(苦笑しながら)

「すぐに暖かいお茶をお出ししたいところですが、その前に…」


//ヒロインが主人公の隣に座る


「お隣失礼します」


(心配そうに)

「ああ…やっぱり頭が濡れてしまっていますね」


「動かないでください、今ふき取りますから」


//SE:タオルでふき取る音

(吐息まじりに優しく)

「ふき…ふき…ふき…ふき…と…」


(不安そうに)

「力加減は大丈夫ですか?痛くないですか?」


(嬉しそうに)

「はい…では続けますね」


(同情するように)

「それにしても、災難でしたね」


「道に迷い、雨に降られる…」


「さぞ、心細かったでしょう…」


(静かに励ますように)

「ですが、もう大丈夫です」


「ここにいれば心配はありませんよ」


//恥ずかしがり顔を逸らす主人公

「?どうされました?」


(不思議そうに)

「恥ずかしいと?自分でふき取りたいのですか?」



(真面目に諭すように)

「いけませんよ、これもおもてなしのひとつですから」


「それに自分では、濡れている場所は気が付きにくいものです」


「私にお任せください」


「ほら、お顔をこっちに向けてください」


//SE:タオルでふき取る音

「ふき…ふき…ふき…ふき…」


//ふき取る音と静かに楽しそうな息遣いが続く


//ヒロインに見つめられた主人公が目を逸らす


(何かに気が付いたように)

「ん?ああ…フフフ…」


(優しく悪戯っぽく囁き)

「もしかして、私のお顔が近くて恥ずかしくなってしまいました?」


「だって、目が合った瞬間お顔を逸らしたでしょう?」


「クスッ…図星みたいですね、女の子とお顔を近づけてお話するのは、慣れていないようですね…」


(わざとらしく不安そうに)

「それとも、私の顔が近いのは不快でしたか?」


「そんなことないですか?」


(意地悪気に甘く囁き)

「それは、私の顔に魅力を感じてくださった…」


「可愛いと思ってくださった…ということでよろしいですか?」


//返答に困る主人公を見て嬉しそうに笑う


「少し意地悪な質問でしたね」


「さあ…続けましょう、」


(優しく楽しそうに)

「こちら側を集中的に、ふき…ふき…耳の裏もしっかりと」


「優しく…しっかりと…撫でるように…」


(何かに気が付いたように)

「あら…?」


(耳に優しく息吹きかけ)

「ふぅ~~~~~~…」


「動かないでください…もう少し…」


(耳に優しく息吹きかけ)

「ふぅ~~~~~~…」


(苦笑しながら)

「ごめんなさい、お耳に手ぬぐいの糸くずがくっついてしまったので」


(優しい口調で)

「ほっぺたも、そっと…撫で撫で…」


「今度はこちら側も…ふき…ふき…ふき…ふき…」


「しっかりと…丁寧に…ふき…ふき…ふき…ふき…」


(悪戯っぽく楽しそうに)

「こちらもさみしくないように…」


(耳に優しく息吹きかけ)

「ふぅ~~~~~~…」


「もう一回」


(耳に優しく息吹きかけ)

「ふぅ~~~~~~…」


(優しく嬉しそうに)

「お耳…弱いんですね、良いこと知りました」


(わざとらしく悪戯っぽく)

「あら、どうしました?更にお顔を赤くしてしまって…」


※ヒロインは主人公に熱がないと確信しています


(若干わざとらしく心配そうに)

「風邪をひいてしまったのでしょうか?」


「念のため、熱を測りましょう」


「私のおでことくっつけて…」


//主人公とヒロインの額が触れる


(吐息たっぷりに、自分の顔を見せて意識させるようなイメージで)

「うーん…どうでしょう?大丈夫でしょうか…?」


「クスッ…うーん…どうかな~…?」


(わざとらしく)

「このやり方が我が家の伝統なものでして…」


「もう少しこのままですよ」


「動いてはいけません」


「うん、熱はなさそうですね」


「一安心です」


「仕上げにお顔全体を拭いて…」


(左右の耳に交互に息吹きかけ)

「ふぅ~~~~~~…」


「こちらも…ふぅ~~~~~~…」



(労わるように)

「お疲れ様でした」


「まだおもてなしは始まったばかりです」


「どうぞ存分に、ご堪能くださいね」

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