第13話 疑念を晴らす証
「……何か、質問は?」
ソフィアの言葉に、教室は一瞬で静まり返った。やがて、一番前の席に座っていた、生意気そうな顔つきの男子生徒が手を挙げた。
「監督生って、何すりゃいいんすか?俺らの監視役ってことでしょ?だったら、俺らが魔法暴走させないように、ちゃんと魔力制御の指導とかできるんすか?あんた、魔力ないんでしょ?」
彼の言葉に、教室中からクスクスと笑い声が漏れる。ソフィアは動じず、ただ静かに答えた。
「……私の役目は、皆が『善』となる行動を助け、共に成長すること。魔力制御の指導は教師がする。私はしない」
ソフィアの言葉に、男子生徒は面白くなさそうに顔を歪めた。だが、別の生徒が手を挙げた。
「あの、監督生さん。魔力がないのに、どうしてこの学園に入れたんですか?……裏口入学って本当なんですか?」
その質問に、教室中の視線がソフィアに集中する。ソフィアは、ポケットから一枚の封筒と入学許可証を取り出した。
「……この封筒には、学園長にしか作れない解読・複製不能の文様がある」
ソフィアは、無言で封筒を生徒たちに見せる。その紋様は、確かに本物だった。
「……だから、これは本物」
ソフィアの言葉に、生徒たちはざわめく。
「……すごい、本当に偽造できないやつだ」
「じゃあ、裏口入学って噂はデマだったのか?」
「でも、どうして魔力がないのに……」
疑問は消えない。だが、嘲笑は少しだけ和らいだように見えた。
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