君と出会ったこの街には、今すれ違う見知らぬあなたも暮らしている

  • ★★★ Excellent!!!

二章「護岸」2−2までを読んだ感想です。いつもは完結後にレビューするのですが、この作品は今すぐ書きたい欲に駆られてしまいました。
しっとりと、じんわりと、ひと言も見落としたくないほど、身体に染み込むような文章に惹き込まれています。
まだ連載中なので内容に触れることはあまりできませんが、まずは一章「サニーサイド」は同棲中のカップルのお話。ふと彼女が放った衝撃の事実は平穏な日常を崩壊させていってしまうのか。それは読んでのお楽しみですが、ハラハラする展開も心地よく読めてしまうんです。不思議なほどに。
二章「護岸」はがらりと変わり、ネグレクトを受ける少女の物語。こちらは序盤ですが連作短編とのことで、どのように絡まっていくのか楽しみです。
たとえ絡まらなかったとしても、読んでるだけで幸せに浸れちゃうんですけれども。

(読了後追記)
三〜五章、より私好みの物語でした。
大人同士のおだやかな恋のはじまり。
結婚生活を終わらせた女性のむなしさと、ゆるやかに回復していく感情。
ラスト五章では、幕間での語り手である青年ララくんの双子の兄キキくんがこれまでの登場人物たちと触れ合いながら、少しばかり弟と自分を比べちゃったり……なエピソードです。

この五章のまとめ方がとても、とっっっても素晴らしかった。川べりの小さな街で、すれちがったことのある人もいれば、まったく見知らぬ人だっている。
そんなあたり前の風景が絶妙なさじ加減で描かれ、オムニバスの醍醐味をたっぷりと味わうことができます。ああ、本当に楽しかった。

カクヨムコン11ではいくつか長編を拝読しましたが、その中でも1、2を争うおすすめ作品です。ぜひお楽しみください!

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