【祝9000PV突破】代償魔術師の過酷な受難~異世界転生したら、貰った力は大ハズレ、苦しむほどに強くなる代償魔術でほどほど無双。
なかよしキメラ
第一章
プロローグ
第1話 異世界わくわくライフ
「あえ」
俺はそうマヌケな声を出して驚いてしまった、なぜか、それは単純だ、突如として、俺は見知らぬ場所にやってきた、足元、床が抜けた様な落下するような冬遺憾を味わって、急に視界が真っ暗になって、気づけばここに居た.......いけない、少しパニックになっている、深呼吸しながら現状を纏めよう。
俺は
周囲の状況は、うん、なんだ、取って付けたみたいな異世界だな、さっきまでおじさんの家にいたというのに、石畳の地面に中世ヨーロッパ”風”の建築、褐色肌の人と俺と同じで黒髪に黒目のスレンダーな人たち、どうやらここは市場らしい、露店には果物や魚とかが並べられている。
どうするべきか、何をすべきか、そうだ人に話しかけてみよう、コミュニケーションの基本は挨拶、古事記にもそう書いて在る、それと勇気、初対面の人間に話しかけるのは中々、精神的な重圧と疲労を伴うからな、出来るだけ人の好さそうな人間に話しかけたい。
「こ、こんにちわ~」
俺が目を付けたのは、八百屋のおじさんだ、おじさんというよりはおじいさんの様な年齢に見えるのだが、ここは敢えておじさんという事にしておこう。
「ん?あんた一見さんかい?」
「え、あ...」
一見さん、そんな言葉、異世界に在っていいのかよ、店主のおっちゃんから向けられる鋭い視線、俺の身体から噴き出すいやな汗。
「はは、冗談さね、あんたここいらじゃ見ない顔だがや、どこの者じゃ?」
冗談という店主の言葉にほっと胸を撫でおろした、まったく悪い冗談はよしてくれよ。
「な、何ていったらいいのか、その........嘘だと思われるかもしれませんが、この世界ではない別の世界からやってきました。」
店主の気を悪くさせない様に出来るだけへりくだった語り口調で返答する、今気づいたが、店主の男は大きな鉈を持っている、アレで切られれは一撃で死ぬだろう。
「ほぅ、
「それで、あの率直な疑問なんですが、ここは一体どこなんでしょうか?」
店主は目をぱちくりさせながら、質問に答える。
「ここはのう、エンシア帝国っちゅう場所の、南西部にある名も無い小さな町じゃ」
「は、はぇ、あ、あの、何ていうか、ありがとうございました、その困ったらここに行けば助かるよ、みたいな場所はありますか?」
「はぁ、そうさね、まぁメリア教会に行けば異世界人でも飯や寝床はもらえるやろう、異世界人のあんたが、この世界の言葉、わしらの言葉を話せているのも、メリア様の恩寵じゃ、メリア様は慈悲深い女神じゃからのぅ。」
どうしてこの世界の言葉が喋れるんだ、どうして異世界であるはずのこの世界の人間と意思の疎通が取れるんだと、そういう疑問が在ったが、神?とかいうやつの仕業か、深く考えても良く分からない。
「それじゃあ、そのメリア教会?っていう場所に行ってきますね!」
「まてや、あんた教会までの道順わからへんやろ、今衛兵さんつれてくるわ、そこで待っとれ。」
衛兵を呼びに、どこかへかけていく店主のおっさんの背中を見ながら俺は胸を撫でおろす、助かった、一時はどうなる事かと思ったが、意外と何とかなるもんだ、人生もまだ捨てたもんじゃない、異世界の良く分からない場所にも、温かい人の心があるじゃないか、ほら店主のおじさんが鎧を着て槍を持った衛兵を連れてきた。
「お前か、その異世界人っていうのは?」
そう聞かれたので、俺は正直にそして元気よく答える、これから俺を助けてくれるんだ、出来るだけ愛想を振りまいておきたい。
「はい!そうです。」
衛兵が俺の腕を掴むと、力ずくで両方とも後ろの方に回される。
「えぇ?」
俺が困惑した様相を見せていると、衛兵は店主のおじさんに言った。
「異世界人を通報したお前にはそれなりの金が役場から払われる、分かったらさっさと失せろ。」
俺を売ったのか?全てを理解したあの糞ジジイは俺を売った、それで金を得た。
「待てよ!どういう事だよ!」
「喋るんじゃねぇ!」
衛兵の膝蹴りが、俺の腹部にめり込んだ、電流の様な鋭い痛みの後に、炎の様に鈍い痛みが腹に広がる、全身から力が抜けて呼吸が上手くできない、自然と出てきた涙で目がぼやけ、前が見えない、俺の腕が縄の様な物で縛られていくのを感じる、俺はどこに連れて行かれるんだ。
何も知らない少年に、さっそく不運が覆いかぶさる、これは偏に彼が苦しみ続ける運命にあるからである、衛兵は麻縄を引いて凱旋する、人生初の戦利品、この平和な時代、平和な町で初めての大手柄、武勲を立てた、勝ち誇った様な顔で町民達を威圧しながら、彼は主君の元へと向かう。
現れたのは貴族の館豪華絢爛な装飾が施された、純白の館、押し込まれるは、その地下、カビの匂いと鉄の匂い湿り気と冷たい石の地下牢だ、異世界から来た少年はその地下牢へと押し込まれた。
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