夢の中で

@wdpm2

前編

夢。静かな部屋で、私はゲームの世界に入り浸っていた。

マイ◯◯ラフトの世界では、自分の手で世界を変えられる。

推しと共に遊ぶゲームは、はっきり言って最高だった。

「ここをこうして…」

慣れないゲームに戸惑う推しの声を聞き、やり方を教えたい衝動を必死に抑える。

夢の中の自分は、まるでラノベの主人公になったかのように、素晴らしい時間を過ごしていた。


ーーーハッーー


気づくと、目の前に広がるのはゲームの世界ではなく、ライブ会場だった。

人々の歓声、胸を打つ音楽、光り輝くステージ。

周りを見ると、仲の良い友達、恋人、そして知らないおばさん。

「あれ?」

声を漏らすが、何かに伝わることもなく霧散していく。

目の前の光景はキラキラしていて、先ほどのゲームの世界は夢のように感じられた。


胸が高鳴る。隣には恋人。こんなに夢のような世界が現実にあるのだろうか。

不安な現実も、今は遠く感じられる。

それでも、胸の奥で小さな不安がくすぶっていることを、私は無視できなかった。

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