第2話「異世界で理想のオジサマに出会いました!」


私、佐神ミレイ。二十五歳、OL。


幼いころに父を亡くし、母を支えるために“しっかり者”を演じてきた。


周囲からは「頼れるお姉さん」と言われ、年下の男の子たちにモテたこともある。……まぁ、自負してる。




だけど――本当の私は少し違う。


父の面影を追うように、どこか年上の男性に惹かれてしまう。


気づけば枯れ専気味で、心の奥には「いつか素敵なオジサマに甘やかされたい」なんて密かな願望まで持っていた。




そんな自分を隠しつつ、日々を過ごしていたある夜。


残業帰りで疲れきった足取りのまま、「はぁ……もうちょっとで家なのに……」とため息をついた瞬間――。




眩い光に包まれ、気がつくと私は異世界の庭園に落ちていた。


恐怖と驚きで声も出せずにいた私を抱きとめたのは、威厳と落ち着きをたたえた一人の男性。




その腕は温かく、力強かった。


「大丈夫か……?」と低く響く声に、胸の奥がじんわりと熱を帯びる。




見上げた瞬間、私は恋に落ちた。


これほどまでに理想に近い人が存在するなんて。


父のような包容力、夢に描いたオジサマそのもの。




あぁ……これから私はどうなってしまうの――?♡






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