第8話

「矢野君、昨日の件は誰にも言ってない?」

「うん。流石にね。」

「よかった。てかさ、矢野君。」

「どうしたの。」

「私のこと、覚えてない?」

「覚えてないって?」

「矢野君さ、中学の頃、SAMIXに通ってたでしょ。私もその塾でさ。」

「なんで知ってるの?」


「同じ校舎で同じ教室だったから。」


「え?」

今、なんて?同じ塾に同じ教室で通ってたって?いやでも僕にそんな記憶はない。大体、自分と同じ教室の塾の人なんて一人も知らなかった。

「古宿校のN組だったでしょ。」

合ってるし。

「私そこの校舎で一位だったのよ。総合順位。」

「え?」

「SAMI試験が毎月あるでしょ?」

「うん。」

「それで古宿校で一位。」

あ!あいつ!?思い出した!全てを!あの時、僕が真剣に頑張って一位取れると思って受けたら二位だったやつ!一位の座を奪った人!中川!

「思い出した!」

「でしょ笑矢野君二位だったでしょ。」

「煽らないで。(小声)」

「ごめんごめん笑」

「そっか、完全に思い出したわ。」

「再会だね笑」

「だね笑」

「おいそこの中川と知らんやつイチャイチャしてんねー笑ヒューヒュー!」

「やめてよ高田笑」

「すまんってー笑」

あ、高田君だ。

高田君に関しては何も知らないな。


「はいじゃあこっから行動班での自由行動です!くれぐれもはぐれないように!」

結局10時まで歩いたよ、、、足が疲れた。

「矢野君、行こ。」

「え、僕?」

「それ以外に誰がいるのよ笑、行こうよ。」

「うん、」

なんで僕と?

「え桜乃どこ行くのー!?私も行くー!隣の人お友達ー?」

「もう莉奈、班の人だよ笑。一緒に回ろっか笑。」

「あ班の人ねーよろしくー!」

春野さんか。

「よ、よろしく。」

「うち莉奈!莉奈たんでいいよー!」

「莉奈たん、、、」

「莉奈でもいいよー!」

「じゃあ、そうします。」

莉奈たんってなんだよ。まじで馴染める気がしない。

「矢野君と莉奈、佐野君と太田君、行こ!」

「「「うん。」」」

「うん!桜乃調子良いね〜!」

「ふふ笑ありがと。」

「確か13時まで自由行動だよね?」

「うん!桜乃ちゃんと覚えてるね〜」

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修学旅行でクラスの女子に呼び出された しゅんいかいか @shunki03250202

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