どこか、ずれて、どこか、不思議。作者らしい捻りが効いた傑作です。

 日常が非日常になる、そんな奇妙なズレを感じる作品。

 登場人物たちが絶妙に噛み合わない。そこが魅力でもあるこの物語は、株式会社KWSステーションという会社内の日常(非日常)を描いています。

 さて、この企業。
 国内外に拠点を持つIT事業に特化した会社で、テレビCMでもおなじみらしい知識労働支援型IT企業。

 ここに勤める水科迅は、かつて目標とする理想の先輩課長がいました。
 彼はどういう理由か、今では夜間勤務者に落ちぶれ、ただ日々、同じ言葉を繰り返しています。

 平穏な日常が描かれているようでいて、読み進むにつれ、わたしたちは常に何かが少しだけおかしいという心地よい違和感を覚えます。

 くどくど説明するよりもお読みいただければわかります。
 大長編作品『ライセンス!』を書かれた、ともはっと先生ワールド全開の作品なんです。

 仕事の合間や、一日の終わりに、クスリと笑いながら読み進めたくなる作品です。
 普通なようで普通じゃない、彼らの日常をぜひ覗いてみてください。おすすめします。

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