いじめ予防対策

人間と喋る時、語尾に「さん」をつける癖がある。

中学校に上がった時、クラスメイトにはあだ名じゃなくてさん付けをしなさいと理不尽に怒られた名残だろう。中学数学で円周率を答える時なんて、「3.14さん」と答えてみんなに罵られたっけ。

誤算。

英語ももちろんままならない。一文一文に「SUN」がついてんだから笑えてくる。そんなに太陽が好きなら外で授業受けろって1人青空教室の時間もあったな確か。

さすがにこれは一旦家に退散。

そんなんだから僕の人生はあんまりうまくいってない。

杜撰。


社会人になって賢くなり、この癖も進化してきた。話は変わるけど巷で話題の連続殺人事件。ほら、あの首元にフォークがグサって刺さった変死体のやつ。あれおれがやってんだ。なんでかって?理不尽な理由だよ。フォークって3本指が一般的で刺したら簡単に「さん」がつけれるから。だってあんなひどいクラスメイトにもさん付けしないといけないんでしょ。何回も言うけど僕は賢くなってるの。語尾だけじゃなくて級友の人生の最後にもさん付けしないと。


あ、そろそろ夜が明けて、青空が見えてきちゃう。それじゃあお疲れさん。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る