第18話 背徳的な饗宴と性の支配


 瑠璃の小さな身体の奥深くに、俺の全てを注ぎ込んだ後、廊下の冷たい空気の中で、俺たちはしばらくの間、互いの体温を分け合うように、固く抱きしめ合っていた。彼女の身体は、痙攣の余韻で、まだ微かに震えている。俺の腕の中で、彼女は、もはやあの小悪魔的な挑発の欠片も見せず、ただ、全てを支配者に委ねた、か弱く、従順な「雌」として、その身を預けていた。俺の完全な勝利だった。


 俺は、その亡骸のようにも見えるほど脱力しきった彼女の身体を抱え上げると、再び、部屋の中央へと戻った。そこでは、詩織が、俺たちの、あまりにも暴力的で、背徳的な交わりの一部始終を、息を殺して見つめていた。その瞳には、嫉妬や恐怖の色はない。ただ、自らの主人が、もう一体の「雌」を完全に屈服させた様を目の当たりにした、畏敬と、そして、抑えきれない興奮の光だけが、妖しく揺らめいていた。


 俺が、瑠璃の身体を、彼女の隣にそっと横たえると、二人の少女の視線が、初めて、正面から交わった。そこに、もはや、ライバルとしての敵意は存在しない。存在するのは、同じ一人の「雄」に仕え、その寵愛を分け合う、共犯者としての、暗黙の了解だけだった。


 そして、その瞬間から、俺たちの、本当の意味での「饗宴」が始まったのだ。


 俺は、まず、再び詩織の身体に跨った。彼女は、それを待っていたとばかりに、自ら、その白い脚を大きく開き、俺の再度の侵入を、心待ちにしている。その姿を見せつけるように、俺は、ゆっくりと、しかし、深く、彼女の身体を貫いた。


 「んっく……!❤️」


 詩織が、甘い声を上げる。その光景を、すぐ隣で見ていた瑠璃が、何を思ったのか、自らの指を、その濡れた秘裂へと、ゆっくりと滑り込ませた。


 「あ……んっ……❤️」


 詩織の喘ぎ声に、瑠璃の自慰の音が重なり合う。俺は、その光景に、脳が焼き切れるほどの興奮を覚えながら、詩織の身体を、激しく突き上げ始めた。


 「詩織、聞こえるか? 隣で、瑠璃がお前の真似をして、自分でイジってるぞ。お前が俺に犯されてるのを見て、興奮して、こんなにいやらしいことしてるんだ」


 「ひぁっ……!❤️ る、りちゃんが……? いや、ん……❤️」


 詩織は、羞恥と快感に顔を歪ませながらも、ちらり、と瑠璃の方へと視線を送る。二人の視線が絡み合い、そこには、もはや言葉を必要としない、淫らな共感が生まれていた。


 俺は、詩織の中で一度、その熱をほとばしらせると、休む間もなく、今度は、隣で身体を火照らせていた瑠璃の身体へと、その矛先を向けた。そして、俺が瑠璃を貪っている間、詩織は、俺が先ほどまで自分の体内に注ぎ込んでいた、その名残がまだ生々しく残る俺のものを、その小さな口で、甲斐甲斐しく、そして、どこまでも淫らに、掃除し始めるのだ。


 ぐちゅぐちゅ、という、唾液と愛液が混じり合う、背徳的な水音。ドン、ドン、という、肉と肉とがぶつかり合う、原始的な響き。そして、二人の少女が、競い合うように上げる、甘く、切ない喘ぎ声。六畳一間の、この小さな部屋は、もはや、理性や社会的な規範が一切通用しない、快楽だけが全てを支配する、異空間と化していた。


 俺は、興奮の赴くままに、二人の柔らかな尻を、その白い肌が、美しい紅葉のような形に染まるまで、何度も、何度も、平手で打ちつけた。パンッ、という、乾いた音が響き渡るたびに、二人は、「ひぃっ!❤️」という、悲鳴のような嬌声を上げ、その身体を、屈辱と快感に、びくびくと震わせる。


 「ごめんなさい、ごめんなさい……!❤️ もっと、ぶってください……!」

 「陽介くんの、雌犬です……!❤️ ちゃんと、躾けてください……!」


 二人は、完全に羞恥心を捨て去り、ただ、俺に尽くし、俺に支配されることに、至上の喜びを見出していた。俺もまた、そんな二人の淫らな姿に、際限のない興奮を覚え、もはや自分が自分でなくなるほどの快楽の渦に、飲み込まれていった。


 どれほどの時間が経ったのか、もはや誰にも分からなかった。俺たちは、ただ、互いの身体を貪り、淫らな言葉を交わし、夜が、その深い闇の色を、少しずつ白ませていくのも気づかないまま、快楽の饗宴に、その身を、耽らせ続けていた。

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