どうか、わたしでブリブリになって
雪村勝久
プロローグ この日記は、証拠になります
拝啓、この日記を読んでいる方へ。
俺は椎日寧一(しいび でいいち)と言います。年は十六で、都内の私立高校に通っている男です。
助けてください。俺は今、危険な薬人にアプローチをかけられ続けています。
あの女、麻見麻依(あさみ まい)は俺の意思と関係なく、毎日のようにあの手この手でカンナビノイドを摂取させようとしてきます。落ち込むということを知らないので、どれだけ拒絶しても意味がありません。
正直、もう頭がおかしくなりそうです。
※この「頭がおかしくなる」というのは麻薬成分によるものではなく、精神的な負担を感じているという意味です。俺は過去一回も違法成分を口にしていません。
この日記を書いているのは、今俺が置かれている状況を詳しく記録しておくことで、一人でも多くの人に事実を知ってもらいたいからです。
もしこの日記を読んでいる時、既に俺が警察に捕まっていたら……一刻も早く、この日記を警察に提出してください。俺が自分から違法薬物を口にしたわけではないという証拠になるはずです。
故意であったかどうかは、刑期に大きく影響するらしいです。 どうか、お願いします。俺を助けてください。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます