タテザキ ムラ
配信切り抜き
Youtubeチャンネル・アバンドン舘崎のアバンドン放浪記より引用
配信タイトル:「【廃墟探索】崩壊寸前!I市外れのリゾートホテルを放浪する」
日時:2023/10/19 午前0時配信開始
廃墟は語る、俺が伝える!皆さんこんばんは、アバンドン舘崎です。
本日は視聴者さんからリクエストを頂きまして、
S県I市から、廃墟の声を皆さんにお届けしていきたいと思います。
本日の対話の舞台となるのは……こちら!
見えてますかね。はい、リゾートホテルです!
かなり立派な佇まいでしょう?
山間に立つ人工物、って感じでめちゃくちゃそそられますね。
事前調査によるとこの子は昭和、1980年代年に開業。
当時は近隣にリゾート街が整備され始めていて、このホテルもその一環として注目を集めてたみたいですね。それで、えー……建物は本館と別館に分かれてて三階建て。売店ではこの地域の名産の櫛、ええ、髪をとかす方のやつです。
それを大量に扱っていて、観光客向けの土産物として力を入れていたみたいですね。
ですが――開業からわずかひと月足らずで、とある事件が発生します!
連続殺人。それも客室でのことで、被害に遭ったのはいずれもうら若き女性。
殺し方もかなり残虐で、体内の腸とか心臓とかを抉りだして殺されてたらしいです。それも、何も知らず寝入る恋人のすぐそばで……。
いやあ、センセーショナルですね?
まぁ何はともあれ結局犯人はわからずじまいで真相は闇の中。
その影響で客足は一気に途絶え、あっという間に閉業に追い込まれました。
以来、長らく放置されているのが、この櫛ノ山……あ、やべ。
このリゾートホテルです。
いやー、今のは動画ではカットですかねw。ま、というわけで。
今回はこちらのリゾートホテルの声を伝えていきたいと、思います!
(中略)
それでは入っていきたいと思います!いやー、鍵もかけず不用心ですねぇ。俺としては大助かりですけども。外はなかなか雰囲気あったけどどうだ……
うお、すごいエントランス!
すっかり色汚くなっちゃってますが、カーペットとか時代を感じさせるシャンデリアとかもあって素敵ですねぇ。
まるで決して来ない客のことを待っているかのようです。
自分はまだやれる、まだ華やかなんだ!って廃墟の声が聞こえてきますよ。
シャンデリア結構古そうですし、落ちてこないことを祈りつつ進んできましょう~。
お、いいコメント来てますね。
お目当ての殺人事件現場は全部本館にあるらしくて、現場に行けば規制線の端切れが落ちてるみたいなのでどの部屋かわかるようになってます。
なので別館の方は行けたら行くって感じでまだわかんないんですけど……お。
ここは売店だったのかな?結構売り物残ってますね!
うわ、食品サンプル埃でグロくなってるな~。
そしてこれは……櫛ですね!めっちゃ残ってる。
この辺は櫛が名産でね、今でも普通に街中行ったりしたら買えますよ。
にしてもたくさんあるなぁ。触り心地結構スベスベしてていい感じ。
埃もあんまりついてなくてキレイ!
一個くらい持って帰ってもバレないかな?
「ここにあっても宝の持ち腐れ、あなたに差し上げます……」
って廃墟も言ってますよきっと。
これ視聴者プレゼントでーす!なんちゃってw。
お、欲しいですか?
欲しいって人結構いますね。
XのDMで住所送ってくれたらお送りし……
(遠くでガラスの甲高い音が聞こえる)
待って。なにいまの?
聞こえましたよね?なんかパリンって……
(ガラスを踏みしめる音)
ウワ、やっぱ聞こえんな……。
足音かな?だれかいんのかなぁ……。
いやー、リクエストくれた人はここ穴場って言ってたんだけどなぁ~。
廃墟との対話に部外者がいるとよくないんでね。
ちょっとここは一時退散して
(激しくガラスを踏みしめる音。こちらに近づいているかのように音量が増大していく)
……うえっ、やばいやばいやばいやばい!
なになに、イカレ野郎でもいるのかよ。ダメだ、あれこっち来てるわ。
一回出ます。出口、出口……
(数分ほど画面にブレが生じる)
出れた!ここまで来れば安心かな?
はー……いや、結局はヒトコワってやつですよね。
廃墟で出会う人間がいっちばん怖いですから。
なにもなくてよかっ
(何気なく振り向いたカメラに人影。人影は入口の扉枠に手をかけ、体をかがめて入り口をくぐろうとしている。人影は全裸女性じみた出で立ちをしており、歯を見せて笑っている。体長は目測で3m程度、腹を縦に切り裂かれ内部が露出しているように見受けられる。総じて人体模型じみた様相を呈す。)
(叫び声とともにカメラが地に落ち暗転。数秒の後配信終了)
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