とても良質なバケの皮。


 ある兄弟はそれぞれ生き物を飼っていました。兄はスズムシで弟はカエルでした。
 しかし、日を追うごとにスズムシの数が減っていきます。

 兄は弟のカエルのせいだと思って彼を責めますが、これをきっかけに不仲になってしまいます。
 
 さて、スズムシはどこにいったのでしょうか。



 この作品は危険かもしれない。 
 健全な若い子を「豹変」の沼に浸からせる可能性があるのだ。
 日常が突然べろりとめくれる感覚は、一部読者を病みつきにして離さない。

 刺激的な描写はあれど、誰でも簡単に読み進めることができるだろう。
 こういった点でも非常に上質なバケの皮を持っている。

 是非とも、小中学校の本棚にひっそりと置かれてほしい一作だ。

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