第4章のあらすじ 前半
「テーマパークさん、私と、姉妹になってくださいませんか?」
「えっと、そんなことできるの?」
「もちろんですわ!テーマパークさんがクレードゥール家の養子になれば良いんですの!」
「でも、無理じゃないかな、だって私は」
「お父様の許可はもう貰っていますわ!」
「・・・・・・え?」
「後はテーマパークさんがこの紙にサインするだけですの!」
テーマパークちゃんは書類にサインしました。
(ドリーミン)
エンソー国王は、冬には戦争をしません。大陸の冬の寒さは厳しく、どうせ誰も何もできないからです。国王は秋の祭りに間に合うように王都に帰還し、冬の間は春が訪れてからの戦争の準備をする期間。ここで王子が彼を止めることができなければ、エンソー国王は次の秋まで、また戦に明け暮れるということです。
年の瀬が近い雪の日のこと。平和を愛する心優しき王子イオーマークは、居室にて1人、指の爪を噛みながら、どうしたらいいものかと、悩み混んでいるのでありました。
(ハバネイト)
私の背後から机の上のノートを覗き込んでいるのは神様ではなく、テーマパークちゃんでした。
「あなたのことは、どう呼べばいいですか?」
「本名じゃなくてペンネームだけど良い?」
「構いません」
「それなら、ゆか、って呼んでほしいかな」
(ペンネーム)
「どうして神様は私を見込んでいるのでしょうか?」
「それは君がテーマパークになるのを、応援したいからだと思うよ」
「はい?なんですかそれ」
「え?」
私は、テーマパークちゃんがテーマパークになりたいと神様に対して宣言したこと。そして神様は彼女が[テーマパークになる]という夢を叶えてほしいという願いを込めて、あのヌンノウ王国のある世界に彼女を転生させたこと。私はその2点をテーマパークちゃんに伝えましたが、彼女は首を傾げて不思議そうな表情を作るばかりです。
「私、テーマパークになりたい、なんて言った覚えは無いんですけど。」
(エンシュア)
「ちょっ、ちょっと待って!テーマパークになりたくないって、どういうこと?」
「どうもこうもないですよ。たった4歳の子どもの戯言を真剣に取り上げる方がおかしいではないですか」
それでね。1つお願いしたいことがあるの。改めて、あなたにはテーマパークになることを目指してほしいの。私からのお願いはそれだけ。
テーマパークちゃんは私の方にも視線をチラチラ向けて来ましたが、それは言葉以上の意味を探そうとして失敗し、もしくは具体的に何を意味しているのかを把握し損ねて困惑しているような様子でありました。
「あの、テーマパークになるって、具体的には何をすればよいのですか?」
あっ、それも聞いちゃうんですね。
難しく考えなくていいよ。後はテーマパークちゃんらしく、ありのままに動いていればいいの。そうすればいつの間にか、本物のテーマパークになっているはずだから。考えるより前に動いて。あなたの心に従って。あなたがあなた自身を好きでいられるように、自分の心に嘘をつかないで。
(コンセント)
テーマパークちゃんが目を覚ましたのは、12月26日の朝6時です。テーマパークちゃんがこの部屋で迎えるであろう最後の朝です。彼女は今日、クレードゥール邸に引っ越すのです。彼女はまだ夜が明けきっていない冬の朝の寒さの中に飛び出していき、プエラちゃんのお家へと駆け出していくのでした。
(モーニング)
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