第2章:ヌンノウ保育園
第2章のあらすじ
イオーマーク=ユーカケルティワース王子が直々に調査隊を率いて焼け野原とへとやって来たのでした。
(オブテイン)
ヌンノウ王城へと連れてこられたテーマパークは、誰の目にも明らかな特別扱いによって、テーマパークは王族や貴族の子どもしか普通なら入れない国立保育園に通うことになりました。
(アドミット)
あの世界でさあ、キャッサバ製の本物のタピオカを流行らせてあげようよ!面白そうじゃない?
「そもそもキャッサバが生えてないから無理ですよ」
それは私がなんとかするところですから。
神様はいつの間にか手の上に乗せていた白い粉、おそらくタピオカを口元に寄せて吹き飛ばし、まるで雪のように地上に降り注いで行くのでありました。
(キャッサバ)
ノリが軽すぎるせいで世界を一つまるごと滅ぼしてしまいそうなほど無責任な神様が鼻歌を歌いながら地上を見下ろしているのに対し、ヌンノウは大混乱に陥っていました。
このまま突然の天災に沈み、我が国は滅んでしまうのではないか。既に王都の全ての路が埋もれてしまった街を、人々は各々の家の窓からただ眺め、不安はとうに通り過ぎた、絶望と諦めの気色を、あからさまに、顔全面にたたえているのでありました。
(スノーウィ)
テーマパークたちの幼稚園では、先生たちが異変の深刻さに気付き始め、子どもたちを高いところへ避難させ始めようとするものの、テーマパークはその指示に従わず、自分の周りに積もっていき、自分を刻々と埋めて行く偽雪の中にじっとして、やがて、彼女にその大人たちの声は届かなくなっていきました。真っ白い世界で生き埋めにされて、身動きの取れない彼女には、その時、どんな世界が見えているのか、私には想像がつきません。
(チルドレン)
雲の上に広がるのは、天の空間。
神々の住まうところです。
そこに突如として現れた少女が1人。
テーマパークちゃんでした。
(ジュンパク)
少女の平手が、神様の頬を叩きました。もう消えた微かな衝突音が、私の頭の中で繰り返し響いて、徐々にボリュームを大きくしていき、恐怖と、興奮と、私の全身に鳥肌が立って行くことがまた全身の鳥肌をよりケバ立たせることに貢献して、皮膚が体から浮き上がって全て剥がれていきそうな痛みを錯覚するくらいでした。
(ボウリョク)
神様はかなり堪えたらしく、珍しく、みっともなく大泣きして、テーマパークちゃんに謝りながら、ドバーッと振り撒いたキャッサバの粉を巻き戻して地上から取り除きました。
(レアリング)
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