問いかけの先へ

空色

『問いかけの先へ』【1分で読める創作小説2025】

玄関先で父は母を探していた。

「お母さんは何処だ?」

リビング、キッチン、部屋を巡りながら、父はまた訊く。

「お母さんは何処だ?」

「なんで?」

「どこにいるのかと訊いてる!」

「今、トイレだよ」

父が急いでトイレの扉に手をかけたその瞬間、私は叫んだ。

「お父さん、もう死んだでしょう!」

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問いかけの先へ 空色 @sorafeel

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