【波風ことは、最近作風変わったよね】

【いや、あの人しょっちゅう作風変わるじゃん】

【恋愛ものを書いていたと思ったら、いきなりスプラッタホラー書き出すし、ヒューマンドラマを書いたりご飯ばっかり書いてたと思ったら唐突にチャンバラ書き出すしね。脈絡なさ過ぎ】

【でも一定数作風まとまってなかったら固定読者付かないはずなのに、なぜかあの人の本売れるしね】

【面白いし】

【うん、面白い。今の作風は糞過ぎる】

【最近の波風ことはの本読んでないけど。この間ドラマ化されてた奴、あの原作そんなに面白くなかったん？】

【いや、単品だけだったらそこまで悪くなかった。内容はイヤミス】

【地味に波風ことは、イヤミスは書かなかったのに珍しいね】

【いや、あれイヤミスなんか？　あの人ってクソみたいなキャラは即退場させる作風だから、ネチネチネチネチ復讐するようなの書かなかったと思うけど】

【うん、なにかあったんかね？　あの人、ある日を境にイヤミスなのか胸糞不倫ものなのかわからんもんばかり書きはじめたしね】

【ドラマがヒットして、映画化もされたせいで、出版社から作風制限の指示でも出たんかね？】

【でも胸糞不倫やざまぁ展開求めてる読者が、昔書いてたヒューマンドラマやチャンバラにはいかんと思うけどな】

【スプラッタホラーに行くのは？】

【地味にざまぁ展開とスプラッタホラーって、読者層が似て非なるものじゃね？　サスペンス好きな人が必ずしもホラー好きな訳ないじゃん。ホラーだって心霊系と人間怖い系だと作読者層全然違うし】

【波風ことは、既婚未婚も知らんのだけど、似たようなことでもあったんかね？】

【いや、素人の校正かけたら文章の癖が完全に消えて日本語が平坦になってしまって、誰が書いたかわからなくなるし。あの小説って本当に波風ことはが書いたものなん？】

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