2:決戦準備その2と、そのころのシラタキ
「何だとう? 小鳥の癖に生意気だぞ!」
「ザザッ―――試作コード68、……やのうて
映像空間からの音声には通信距離の、隔絶や距離を表現するために、ノイズが入ってしまう。映像自体も
「
胸を、反らせてふんぞり返る、コウベ。
設計師:たこ焼き大介、もとい、
「ザッ―――
勿体付けるNPCにツッコム、
「ザッ―――じゃあ、それ教えてくれたらぁ、見事ぉ、モノケロス討伐成功の暁にはぁ、あなたたちNPC組にー、特選おやつをー100個進呈するって事でぇー、どうかしらぁ? ……確か、作り置きのが、70個くらい残ってたはず」
折衷案のような申し出を、切り出す、VR専門家にして、『VRエンジン
「いーよ! じゃあ、教えてあげる。『コウベだけ、おやつ貰えるのはズルイ!』 だってさ! 生意気~!」
「ザザッ―――なんだよ、そんなことかよ。勿体ぶる事じゃねえぜ」
「ははは、まあ、LV差52は半端じゃ無えだろ。どうせ、おやつは無しだ」
「■《ワルコフゥ》ソウイエバー、
ワルコフは、飽きてくると、ふざける。具体的には、模索中のキャラ作りを披露し出す。
「ザッ―――
「ザッ―――おい。
「ザザッ―――あんたも、気安いわよ!」
ひっぱたかれてる音が、映像空間を通じて届く。
「ザッ―――バトルレンダ
「ザッ―――はぁ、……
「ザザッ―――ええ。でもぉ、今回はぁ、バトルレンダはぁ
「ザッ―――さっきしてた、
「ザッ―――
「ザッ―――クラッシュ? なんか、有ったわねー。会話型NPC1体が、高難易度のクエストをクリアした後、クリアイベントほったらかして、消えちゃって、タスクが滅茶苦茶になっちゃった、とか何とか」
映像空間の中で海賊が、頬に手を当てて、考え込んでいる。
「ザッ―――
心配する
「ザッ―――だから、……あてぇ達、……VR設計師に、……
「ザザッ―――そりゃそうだ。
結局、
|
「ザッ―――いややなぁ、……
映像空間の中。
「ザッ―――じゃ、俺は、……
「ザッ―――そうどすか? なんだか、……照れますなあ」
流石と言わざるを得まい。天性のイケメンは、又もや正解を選んだ。
「あのー、ワルコフの野郎が、フザケ始まってるんで、そろそろ……」
「ザッ―――もうー、行きますかぁ? 時間無いしねぇ、まあぁ、ダメもとでぇー」
「ザッ―――そうね、まあ、
午前中、鳴き声だけで、撃破されたことを、忘れている。
「ザッ―――そうだぜ、
もはや、LVではなく、本人の
「ザザッ―――
はんなりした口調で、応援してくれている
「特にウチの……試作コード65やのうて、
はんなりした口調で、
「まあ、試作コード68……やのうて
……重要度はやはり、”コトリ>コウベ”の様だ。
ダンボール質感の地面に置かれた、
その大きさは、昼食時のそれとは違って、
その横に、積み上げられている、山のような銃。
その横に、置かれたように鎮座ましましている、顔の長い猫達。
その横に、
あとは、なんか、遠くから届く、獣の雄叫び。
それは
◇◇◇
「小型ボスの中では最難関の、”
腕を組み、往来の真ん中で、高らかに1人ごちている。
そのウェイトレス、タンジェリンオレンジのカーディガンを羽織り、腰に巻かれたエプロンを、シュッと外す。
そのウェイトレス、前髪に
そのウェイトレス、は丸眼鏡という最後の変装を解き、ヘッドセットを装着した。
”VRE研究部”とは日は浅いが、そこそこ交流のあるその人物が
スターバラッド運営にして、特区の
推定……27歳……位? 一見優しげで、巻き毛モコモコ美人。内面が見え隠れするような、つり上がった目尻。深くスリットの入った
ガガン。周囲の通行人が、振り返るほど、強烈に歩道を踏みならし、仁王立ち。
「
背後の空間に”
視線の先には、
コツコツコツと、ソールの音を響かせ、歩き出す
いつものヒールは、履いていない。ウェイトレスにヒールは無理があったのだろう。
そして、カフェレストランでの給仕は、隠密行動ではなく、単に、趣味のバイトであったと思われる。
「行くわよ!
背後の
その全身は、
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