1:接触6
リアコウは、NPCコウベの、顔を指さした。
ポップアップする、
『たこ焼き大介作成:
気の利くルフトがナノサーフェス仕様の何の変哲もない、真っ白い厚紙を差し出す。ソレを「見やすくて、……ええどすな。おおきに」と受け取る大介。
大介は、HUDの後ろへ掲げた厚紙へ貼り付けるように、
「お? なんか
覗き込む
「
いつの間にか追加で出した、小さいハンマーを振り回し、狂喜乱舞するリアコウ。
頭の上の小鳥部分が分離し、ハンマーの切っ先を避けている、
「へーやったじゃないですか!」
おめでとうございますと、軽く礼をする少年。さりげなく、ハンマーを取り上げたが、リアコウはそれどころでは無いようだった。
てへへへへへへ。ども。と新設された、『ゲームへの登用申請』ボタンを、満面の笑みで押す”
ピピッピ♪ ヴァパパァン♪
『◆ゲームへの登用申請を受け付けました。』
なぜか、逃げまどう
「ほ、
感動に打ち震える、真っ白いワンピースが、とても良くお似合いの、
「やったじゃないすか!」
「おめっとさん。……下世話な話だけど、幾らぐらいになるんだぜ?」
ワルコフ狩りを止めて、ニヒヒヒと、寄ってくるガタイの良い少年。
「確か、一律で、……300万宇宙ドル……やったと思う」
『※2016年6月17日現在―――
本日のレートでは、やや歩留まり感が有るモノの、大学初任給×1.5倍くらいの金額にはなる。
「へー。VR設計師てのも案外悪く無えぜ」
「お金って言えば、このデバッグモード、今も
「そへんね、……デバイスを
「音声入力」
「……バイナリ時空間分割:オン」「……エリア指定:解除」「課金表示:オン」
「おーやーつ……ブッツ」
即座に光の粒子となる、実物大NPCコウベ&小鳥&ワルコフ。
ポポン♪ ポポン♪ 両腕の、危険色表示が、通常の単層表示に切り替わる。
左手首の、甲へ向けて付けていたデバイスを取り外す。
右手内側の表示を、最後に指先ではじいた。
『現在の累積課金__4,320円』
「4,320円……どすか。……思うたより、……内部処理が複雑どすなあ、……
リアルコウベは、悲しげな表情をした。
「「今の一回分で!?」」時間にして、7分程度。
「おいおい、4,320円って、それだけあったら、ゲームアーカイブで、どれだけ買えると思ってんだぜ!?」
「そうだな、せめて、宇宙
「……あんはんたち、……結構VRゲームまーりに……詳しいさかいすね……どえらい見直したんや」
「現役のβ生徒を舐めちゃいけねえぜ」
「そだな、金欠とスタバが生活の全てと言ったら過言だけどなー。俺はまだ、キャラメイクすらして無ぇーし」
「……そないなら。なんや、……結果的に申請……出来はったことやし、……これも何やのご縁って事で、……あてぇが、あんたはんの……キャラメイク見てあげまひょか?」
「お、良いんじゃね? 俺も結構苦労したし、
「そっか、そしたら、お願いしちゃおっかなー」
両手を組んでクネクネし出す、気持ちの悪い
うふふふふ。あはははは。へへへへへ。
和んでいる間にも、登録申請の結果が帰ってきた。
『(C)たこ焼き大介/NPC”
厚紙を、ひっくり返し、印刷品質の文面を、
にこにこにこ。拍手で返す、男子生徒&ルフト親子。
ビ。速攻で押された受領の為の
チャリーン♪
なぜか、
チャリーン♪
ん? なんぞ? なんだぜ?
チャリーン♪
チャリーン♪
『VRエンジン研究部顧問代理様へ―――
貴 VRエンジン研究部所属の、”
チャリーン♪
「おいこりゃ、どういう事だぜ!?」
チャリーン♪
「あ、アカンやないの!」
チャリーン♪
「昨日、コウベ達が
チャリーン♪
「あ、アカンやないの!」
チャリーン♪
「……所属と管轄が、
ポンと手を打つ
チャリーン♪
ちなみに、
チャリーン♪
「……もう、
肩を落としてションボリしたまま、ハンマーを全てワンピースの中へ
チャリーン♪
とりつく島もないほど、意気消沈した美少女社会人。一介の男子高校生2人には、それ以上掛ける言葉がなかった。
チャリーン♪
「……ソレデワ、コミューターヲ、オ貸シイタダケマスカ?」
と、気の付くルフトが申し出る。
「私ガ、ゴ自宅マデ、オ送リイタシマス」
言葉を引き継ぐ子ルフト。
健康管理フレームへ照会したときに最低限の個人情報を入手できたのだろう。
チャリーン♪
玄関先まで見送る男子生徒。
チャリーン♪
コミューターの過充電状態は解消されていて、もちろん
チャリーン♪
座席下の
足を伸ばして、背が高くなったルフトに、安全性は実証済みの、
足を拭かれ、玄関先に出しっ放しだった、
チャリーン♪
ウォロロン。ピーコンピーコン♪ バックしていくコミューター。
つまり、うなだれ、座席に座る、生気の失せた大介の顔が痛々しい。
チャリーン♪
チャリーン♪
大介は細い腕をわずかに持ち上げ、そのまま旋回し、夜の町へ消えていった。
チャリーン♪
「一応、防犯機能ヲ作動サセマシタ、ウチノ子モ居マスノデ、危険ハ無イデス」
と、ルフトさんの補足説明。
チャリーン♪
チャリーン♪
チャリーン♪
入金ベルは、
チャリーン♪
「―――明日、
チャリーン♪
「―――そうだな、明日、”自動学食”出たら、元気づけに、何か
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます