第134話 夏休みの宿題


 とうとう夏休みが終わり、9月になってしまった。


 私の机の上には、夏休みの宿題――計算と漢字のドリル、読書感想文、絵日記、自由研究のノートが山のように積まれている。

 別に驚くことでもない。

 すっかり見慣れた、毎年の光景である。


 さあ、早くやらなくちゃ。

 そう思いながらも、なんだかんだと理由をつけてはあとまわしにしている。物事をなかなかやりはじめられない性格は、昔から変わらない。

 自分でもよくないなと思っているのだけれど、なかなか治らないのだ。


 しかし、はじめなければいつまでたっても終わらない。

 それに、みんなだって待っている。みんなのがんばりをちゃんと見るのが、私の役目だ。

 そう気持ちをふるいたたせると、私は生徒たちの顔を思い浮かべながら赤ペンに手を伸ばした。


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