第119話 買取価格
「ほお。ずいぶんと価値のある宝石だな。その価値、およそ500万円といったところか……」
町で唯一の宝石鑑定士は、片眼鏡を外すと静かな口調でそう告げた。
「本当に!?」
宝石を持ち込んだ客が目を丸くする。
「ああ、わしの目に狂いはない」
「だったら、この宝石500万円で売ります!」
すると鑑定士は首を横にふった。
「残念だが、買い取るのなら100万円だな」
「え? だって今、500万円って!」
「わしの鑑定に間違いはない。だが、わしは100万円しか出さん。それが嫌なら、この町を出て行くんだな」
「ひどい! どうしてそんな意地悪を言うんですか!」
「意地悪なんかしとらんよ。仕方がないだろう。わしは500万円もの大金、持ってはおらんのだから」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます