全部を神様のせいにして



全部の全部を神様のせいにしてふてくされてみるのも

責任転嫁の有効性及び即効性から考えてみれば

それはそれでわりと悪くはないのだけれど

結局その程度ではしっかりと持て余して

明日ばっかり憂鬱に塗り潰して

それが余って今日に飛散して

まるっきり十分な量が飛んでくるから

駆け引きする余裕もなくて

切実にただ“欲しい”とだけ思ってる

そいつはどう大目に見ても「悪くない」とは言えない


気怠けだるさで押し込めて

見ないようにして

過ぎた頃にはすっかりれていて

どうにも笑えない

何もかも手遅れで

捨てるしかなくて

何回同じことを繰り返したかな

電話のひとつやふたつかかってきてもいいのにな


全部を神様のせいにして

へらへら笑っていられるのなら

ぜひとも歓迎したい

何も皮肉でこんなことを言ってるんじゃない

不幸を気取りたいわけじゃない

多少の破綻は大目に見てそれで落ち着くのなら

疑いなく最良の策だよ

もしそれを愚かと呼ぶのだとしても

けれどそんな心配をしなくたってすでに十二分に愚かだから

重ね塗りはどうかなって思ってしまう

中途半端な美学が邪魔をして

どうせならまだ白いところを塗りたい

72色のクレヨンはどこだっけ


苦し紛れの浅知恵で

また居住まいが悪くなる

神様のせいにしてみるにしても

どこがどう悪いのかってわからなくて

責任の理由がまったくもって不明瞭だ

重箱をつつくにしたってどこが隅なのかわからない

そもそも神様であるにせよないにせよ

罪業の定義さえ曖昧で

思わず目を背けてしまったとしても


折れた藍色を捨てて71色になってしまったクレヨンみたいな

そんな不完全で

当たり前の出来事

不調和であり秩序

切実にただ“欲しい”とだけ思ってる



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