第三十九話 大剣
「これはこれは、お久しぶりですな、ダンジオ公。数日前は、
「幸村か……!
ダンジオの
「
幸村は、
ダンジオは
(
幸村は
ダンジオの
兵たちの放つ
「覚悟ね……幸村、
ダンジオは鋭く踏み込んだ。大剣を振りかぶると、幸村に向けてまっすぐに振り下ろす。幸村は、刀で受け流すと左に体をかわし斬り返す。ダンジオの左面めがけて刀を振り下ろすと、ダンジオは大剣をかかげ受ける。
「
ダンジオは
「ぐっ!」
幸村が刀で受けると赤い火の粉が散り、腕がしびれる。ダンジオの
「おぉ!!」
幸村は
幸村の刀は二尺三寸と、ダンジオの
つまりは、離れたれば
鍔迫り合いの力比べとなると、
「グッ!……クッ!……」
幸村は、押し返そうとするがダンジオの力は強い。
「どうした、幸村?フフ」
ダンジオ、ニヤリと笑った。
幸村よりダンジオのほうが、腕も剣も長い。離れれば不利なため、鍔迫り合いを
(しまったな……これは、いかん……俺としたことが不利な戦いを始めてしまったか)
幸村は思うが、どうにも打開策が
しかたなく、幸村は体をかわして下がる。ダンジオは、魔剣を
「フフ……幸村、
「……」
幸村は
(死ぬわけにはいかぬが、まずいな。思った以上の使い手だ)
幸村は思う。
そこに
(くそ!ウェダリア兵だと、やっかいだ!)
その音を
「クッ!」
幸村が受けると、一歩下がる。壁に背がついた。
「もらった!」
ダンジオは幸村の胸めがけて突きを入れる。幸村は転げてかわす。大剣が硬い
幸村が振り返ると、階段を駆け上がってきたのはアズニアの
(これはもうダメか……)
ダンジオほどの
「幸村よ、どうやらオレの勝ちだな」
ダンジオは、ゆっくりと大剣をかつぎ立ち上がる。アズニアの騎士に
「
幸村も、その騎士に目をやる。
「……」
騎士は答えない。ダンジオは
「おい!どうした!」
騎士は無言のまま、前に崩れ
その騎士の後ろには、血の滴るナイフを右手に握った黒ずくめの男が立っていた。顔も黒い布に覆われている。
「おまえは……
「……」
黒い男は何も言わない。
「ダンジオ公、
幸村は立ち上がり言った。
「何だと?」
「あの忍びは、我が
「ほぅ……やってみねばわかるまいよ!」
ダンジオは幸村に大剣を振り下ろす。幸村は刀で大剣をすりあげると一歩右へと出て体をかわす。
「ぐぅっ!!」
ダンジオの右肩に鋭い痛みが走った。次いで右腿、右ふくらはぎに痛みが走る。
その
「ウッ!」
ダンジオは呻くと、大剣を
ダンジオは幸村の顔を見上げた。
月明かりを
「あなたは強い。一人では負けていた……」
ダンジオの右肩、
「才蔵、縄を。縛りあげてくれ」
幸村は言った。才蔵はダンジオに近づくと、
「ダンジオ公を捕えたぞ!アズニア兵は武器を捨て投降せよ!」
幸村とウェダリア兵は、
アズニア城は、落ちた。
だが、まだウェダリアの北には、アズニア
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