第六話 女王の決断
ミラナは
ミラナは机の
「父が……
「……なんと……」
ミラナは意を決したように幸村に
「ウェダリア
「……」
幸村は黙って、うなずいた。
「さらに悪いことに、ウェダリア騎士団を打ち破ったジュギフの
「ジュギフ?」
「ジュギフは、シナジノア島の南にある
「ふむ」
「ジュギフは
(南から侵攻してくる敵が、
幸村は
「そのカヌマの地にて、ウェダリア軍は敗れ、
ミラナはうつむき、答える。
「……そうです……父が亡くなったことは悲しいことです……ですが、悲しんでばかりはいられないの……」
顔をあげた。
「
「敵の兵力は?」
「一万という話です。魔物達の戦力は
「軍勢無しで戦える
「まず北の同盟国アズニアに使いの者を出しています。アズニアに
「ふむ。ウェダリアとしては、どうなさいます?」
「
「三千……」
(少ない……)
幸村は思った。
ミラナは
「問題はもう一つあります。ウェダリアにはこの三千の兵を
ミラナは、まだ
「幸村、これは私には
幸村は視線を落として、考えだした。
迷いがある。
ミラナは言う。
「父は国を出る時、私に言いました。『民を頼む』と。きっと、いくさに敗れれば私は殺されます。ジュギフ軍は敗れた国の
幸村は、落としていた視線を上げてミラナを見る。
「でも、私は父に
幸村は静かにうなずくと、口を開いた。
「わかりました。私を頼っていただけるなら、やってみます。
「フフ、幸村、私に気を使って
ミラナは笑って言った。
「ハハハ……かないませんな……
幸村は姿勢を正すと言う。
「では言いなおします。私におまかせいただけるのであれば、
ミラナは
「
幸村も微笑み返すと言う。
「つつしんでお引き受けします。私も臨時の将軍というわけですか」
「アハ……うん……そうね」
「では幸村、
「そうですね。そうしましょう」
二人は椅子から立ち上がると、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます