第五話 涙
(何が
マーサのところに行って、布と
次に、紙にペンで今日見た街の
(ミラナどのは、いくさの時は力を貸してほしいと
幸村はその
そんなことをしているうちに、
「幸村さま、ご
マーサが
「ありがとう。今行きます」
幸村は
食堂に行くと、ミラナが座っていた。
マーサがテキパキとした
「いやはや、
またも幸村は
ふと、ミラナの様子が目に入った。あまり食が進んでいない。食べる手を停め、幸村は聞いた。
「ミラナどの、どうなされました?」
「いえ……なんでもないの。どうぞ、お食べになって」
ミラナは力無く
(きっと、あの若い
幸村は、今日一緒に見た街の
「ウェダリアの街は、美しい街ですね。民も皆良い人そうだ。お
ミラナは、うなずいた。
「そうね……ウェダリアの人たちはみんな良い人……父上は……ウェダリアの民を……ウッ…ウッ…ウッ」
ミラナの眼から、
幸村は
「ミラナどの、どうしました?何か悪いことを聞いてしまったろうか?」
ミラナはうつむき、首を振った。
「もし何かお困りならば、
ミラナはハンカチで涙を拭いながら思う。
(三十数年ぶりにウェダリアに現れた『
なんとか泣き止むと、言った。
「わかりました。
ミラナは
「マーサは外して。幸村と話します」
ミラナと幸村は、執務室へ入るとドアを閉めた。
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