第45話 日常の崩壊
「逃げる気か?!」
「ああ、そうだが?それに僕があなたと決闘をしてどんなメリットがあるんですか?」
「それは……」
「そんな、僕に何の特にもならないことはしません」
「ふ、ふん、どうせ負けて全て失うことが怖いんだろ?」
「そうだけど?それの何が悪いんですか?」
正直、変なことに賭けて負けて全てのくらいなら、僕のプライドなんて必要ない。
何かをやって、何もかも失うくらいなら、何もしない方がいい。
「おまえにプライドってものはないのか!?」
「はい、ありませんよ?そんなものは大切なものを守る前には必要のないものですから」
この言葉を聞いてルナが頬を赤らめ、くねくねと変な動きをしてるが気にしない。それとリリーも頬を赤らめていた。
「ふ、ふん、噂に聞いた通り臆病なやつなんだな。やっぱり弱いんじゃないのか?前の決闘も本当は不正でもしてたんじゃないのか?」
「だから、そんな挑発に——」
「あなた、今何て?」
ここに1人——。
「ええ、そうです。シン様が弱いわけないでしょ?」
いや、2人挑発に乗ってしまったバカがいたよ。それにルナは前回もこんなようなことでひっかかっていたよな。よーく、言い聞かせておいたんだけどな。全然学習してないよ。
しかも今回はなぜかリリーも一緒になって挑発に乗ってしまったよ。いつもなら、使用人らしく静かにしてるのに、ほんとルナと何かあってから変わったよな。
挑発に乗ったことに相手がニヤッとしてるじゃないか。はあ、これはまた後でキツく言っておかないとな。
「でも、本人はやりたくないみたいですよ?それってやっぱり弱いからなんじゃないのか?」
「そんなわけないでしょ!」
「そうです!それなら、決闘してあげようじゃないですか!そうすればシン様が強いってわかりますから!」
と言った感じにまた勝手決闘することになってしまった。
ほんとこいつらは何をしてくれるんだか。
そんなことで僕の意思なんて一切無視で決闘の準備が進んでいってしまった。
「あのー、ハンデとかは?」
「あんな大口叩いておきながら、ハンデとか。ほんとは弱いんじゃ——」
このパターンは、まずい。
「そんなわけないでしょ!あんたなんかハンデなしで充分よ!」
やっぱり、やってしまったよ!ほんとどうしてくれるんだよ。
「じゃあ、ルールは?」
「それは相手を気絶させるか、続行不能にすれば勝ちってことで」
やっぱ、そういうルールになるよな。
ほんとどうしよう?すぐに決着するか、それとも長引かせてギリギリで勝ったことにするか?
長引かせていろいろ知られるより、一瞬で終わらせればいいか。でもいろいろいちゃもんをつけられたらめんどうだから、つけられないようにしないとな。
ということで、計画が決まった。
とりあえず、始まったら少し待機。それから、一瞬で相手を気絶させる。という感じだ。
そして、決闘はその計画通りに進み、相手に勝つことができた。
でもこの男、それなりに強く学校でも有名なやつだったらしい。
はあ、まためんどうなことになりそうだな。
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