第34話 相談
僕はロゼさんからああ言われたけど、すごく納得がいかない。
なんで僕は自由に恋愛ができないんだよ!
まあ、異世界の常識と言えば、政略結婚とかが当たり前だけど。やっぱり納得いかない。
確かに周りから見たら親しいやつを振って、いきなり現れた女と付き合っているように見えるだろうよ。でも実際は逆だし。
言おうにも言うことができないし。
あんな風に言われたけど僕がリリーに会う方がだめな気がする。アイリに聞いても切れられそうだし。ほんとどうしよう。
ルナに聞くのは失礼だし。
はあ、やっぱ人間は嫌いだな。なんでここまで振り回されないといけないんだ?そもそも、周りがリリーと仲良くなるからいけないんだ!
貴族なら、ルナとの婚約こそ賛成するはずなんだけど、うちって貴族だけど日本人でそんなことと無縁だし。
もう人に振り回されてるな。やっぱり感情論には勝てないんだよ。非道になれればそんなことどうでもよくなるんだけど。
やっぱルナに相談してみよう。とりあえずルナのところに行ってそれから考えようかな。
たぶんルナなら僕の部屋にいると思うから、そこへ向かった。
自分の部屋に入るとルナが僕の枕に顔を押し付けて寝ていた。
前世でもたまにこういうことがあった。よくアニメとかマンガとか小説でそんなことがあったから、なぜしてるのかはわかっていたけど、こっちでもやるのかよ。
「おい、ルナ起きろ」
僕は寝ているルナの肩を揺すった。
「ふぇ?」
なんか寝ぼけているみたいだった。でもすぐにそれも直って僕に抱きついてきた。
「シン君だぁ。どうしたの?わたしと一緒に寝る?」
「それは嬉しいけど、今は相談があって来たんだ」
「そうなんだ。それで相談って何?」
「リリーについてなんだけど」
「ふーん、そうなんだ。心配なんだ」
「まあ、一応今まで僕のメイドをしていたからな」
「わかったよ。相談に乗ってあげる」
「ほんとありがとう!」
「でも1つだけ聞かせて」
「ん?何?」
「シン君はリリーとわたしどっちが好き?」
「ん?ルナだけど」
「そうなんだ。ありがとう。それでどんな相談なの?」
「うーんと、ロゼさんっていういうメイド長にリリーとちゃんと話すように言われたんだけど、それって逆効果だと思うんだけど」
「まあ確かにそうだね。でも話しておいた方がいいと思うよ」
「じゃあ、どんなことを話せばいいと思う?」
「それは私の口からは言えないよ」
「やっぱりか」
「それにシン君は流されやすいから、何かを言いたくない。それに今回もそうなんだよ。そもそも振って相手に会いに行く方がおかしいからね」
「確かに」
「ほら、すぐ流される。だから自分で決めて、私からはそれだけだから」
じゃあとりあえずは行かない方がいいかな?行っても更にひどくなりそうだし。
そうだよ。そもそも行く必要ななんてないんだよ。
「あ、そう言えば、ルナは家に帰らなくていいの?」
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