初めての恋
私はリリーナ。今年で5歳になる。
私、いや、私たちには使命があるそれは魔族を懲らしめることだ。
数日前、偶然私たちは子供の魔族を見つけたのだ。だから、街を守るために懲らしめることにした。
でもどれだけ懲らしめても現れるのだ。毎日同じ場所に。
でもこのことがあんなことになるなんて思ってもみなかった。
数日後、私たちはもう絶対に魔族が出てこられないようにしようと考えた。
それは、前に聞いた話で、悪いことをすると森の中にある穴に閉じ込めるというものだった。実際閉じ込められた友達もいる。だから私たちでその魔族を閉じ込めようと考えたのだ。
魔族を捕まえて、連れて行くところまではうまくいった。でもその後で、魔族の妹と名乗る人間が出てきたときは本当に驚いた。まさか、すでに被害者がいるとは。しかもこんな小さな女の子にお兄ちゃんと呼ばせる鬼畜だったとは思いもしなかった。
これも予想外だったけど、ブラックパンサーが出るのも予想外というかありえなかった。
この辺りは比較的安全地帯でモンスターもそこまで強いのはいないはずなのだ。
それなのに、出てきた。ブラックパンサーの咆哮で男子は気絶するし、でも私はなんとか意識を保っていた。
すると妹と名乗る女の子が魔族の前に出て、お兄ちゃんは逃げろって、あの魔族は、どんだけ鬼畜なことさせてるのよ!
でも女の子もすぐに気絶してしまった。
あー、これで私たち全員死ぬのかな?それであの魔族だけ助かるんでしょ?本当についてないわ。
そんなことを思っていると、その魔族は予想外の行動を起こした。まさかブラックパンサーに立ち向かっていくなんて。なんで逃げないのよ!あんたには関係ないでしょ!
でも声にはならない。私も恐怖でそんなこと言うことなんてができないから。
そうすると、ブラックパンサーを殴るだけで吹っ飛ばした。
え?なんでそんなに力あるの?私たちの拘束すら、解けないんじゃなかったの?
復活してきたブラックパンサーに今度は魔族の方がやられた。
ほら、そんなブラックパンサーに戦うんじゃなくて逃げないのよ。あんたにはなんの得にもならないんだから。
でも次の光景に私は目を疑った。
急にブラックパンサーが地面に思いっきりぶつかったようにクレーターができたのだ。
え?どういうこと?あの魔族が、何かしたの?
さらに目の前の光景の意味がわからなかった。
今度は急にブラックパンサーの身体が消えたのだ。
え?今度は何をしたの?
疑問は尽きなかった。なんでなんでと考えている内に下半身に感じていた不快感はなくなっていた。
その後、急に風景が変わり、街が見えるところにいた。
もう本当に意味がわからない。
でも街が見えると安心して私は気を失った。
目を覚ますと辺りには大人の人たちがいっぱいいた。私の両親は私のそばにいて私が目を開けると私を抱きしめてくれた。
「くるしい」
「あ、ごめんなさい。でも本当にに無事で良かった」
離してもらうと辺りを見渡してあの魔族を見つけた。あの魔族本当に人間みたいだった。人間の親に抱かれてたし。なんか悪いことしちゃったな。
それとあの魔族かっこよかったな。そう思うとそれを振り払うように慌てて目を逸らした。
「あれー?もしかしてリリーナったらシン君に一目惚れでもしちゃったかな?」
「そ、そんなんじゃないもん」
「ふーん、まあいいけど。でもシン君は難しいと思うよ」
「なんでよ」
「だって、シン君勇者様の子供だし、多分かなり有名になるからよ」
「そうなんだ。でも私には関係ないわ」
「じゃあ、誰かに取られてもいいんだ?」
「よくない!あっ」
「別に隠さなくたっていいんだよ。まあ、あの見た目もあるからしょうがないとは思うけど」
「ママ、シン君って魔族じゃないの?」
「ええ、シン君は勇者様の息子さんよ」
「そんなんだ」
そう、私はこの日初めて恋というものをした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます