にんにく皇帝と強き乙女と猫二人。

「ふっ……」

こんなこともしちゃうぜ、なんてどらさんの頭を撫でようとした時……。


「うぅぅぅ……」

背後から、獰猛な獣の唸り声の様なものが聞こえてきた。

まあ、俺の予想が正しければ、この声の主はいつも何かにプリプリしてる……。


「はぁ……」

溜め息を吐き、振り返る。


「きさまぁぁ……」

やはりだ……。眉間に縦線をしっかり刻んだアリスが拳を上げて立って居る。


「えっ……!」

拳を上げてっ!?


「いやいやいやいやっ! お前ちょっと待て! なんだその殴る的スタイルは!」

「うるさい! 死ね! 問答無用で死ねっ!」

「死ねるか! それに今、殴られる訳にもいかん! やめてくださいよもー!」


爆睡しているどらさんを庇いながらアリスへ必死に訴える。


「うるさいっ!問答無用と言った筈だ!」


うお、ヤバいっ!コイツマジだ!


「ちょっ、ちょっと待て! あ、あの……こ、この娘がどうなってもいいのか!!」


「なにぃっ!? 人質とは卑怯なっ! しかもそんな幼い娘を!」


未だにぐっすりと眠っているどらさんを見せるとアリスは悔しそうに拳を下ろす。


……てか、気付いてなかったのかよ……まじで危ねえやつだなこいつ。


「ふふっ……」

でも、これで、こちらが主導権を握ったも同然だ。


「それ以上近付いてみろ、この娘の頭を撫でるからな」


極悪人もビックリな脅し文句をアリスに吐いてやる。


「いや、頭撫でたからどうやねん。てか、撫でようとしてたし」


ゴリラが何か言ってるが、ちょっと何言ってるか分からない。無視だ。

「くそうっ……。貴様はなんて残酷……」


アリスもゴリラの言葉が分からないのか聞いてないのか、下唇を噛み両の拳を握りしめ、悔しそうに俺を睨んでいる。


「おいおい、なんでやお前等。こら」

ほんとうるさいゴリラ。つうか、いつまで四つん這いなんだゴリラ。


「ふふっ……」

「くっ…………」

方や余裕、方や悔しそうに睨み合う俺とアリス。


と、そこへ……。


「ほんとばかだねぁ、おめぇら。えぇ? 変態だやなぁ~。ほんと変態だやな」


アリスの更に背後から陽気な―――と言うか、酔っぱらいオヤジみたいな声が聞こえてきた。どうでもいいが凄く臭い。


「じろさんっ!? なんでっ!?」

声の主を見て真っ先に声を上げたのは四つん這いゴリラだった。


「あぁ? てめえ、目があったじゃねえかよ。そこの嬢ちゃんと一緒に来た時によぉ」


「えっ、ほんまに? 全っ然気付かんかった―――てか、嬢ちゃんて言うな。お前の生徒やろが」



「ほんとだ。てか、もう一つ言うと凄い臭いぞじろさん。歩くニンニク化現象だ」


「おいおい、ぶん殴んぞてめえら。来て早々言い過ぎでぇ。フレンドだろ俺っち達ゃ」


「いや、俺っち達はティーチャーとスチューデン―――」


と、じろさんの言葉を訂正しようとした、その時だ……。


「て言うか、誰なんだこやつは!」


気づきやがったアリスが、どらさんを指差す。


「あぁ? そらおめえ~。白昼堂々こんな所でチョメり合う様な間柄の奴なんじゃねえけぇ? なあ?」


いや、なあ?とか聞かれて意味わからんし知らんしっ。


「なっ……」


「いやっ、真に受けるなそこぉ! 違うから! び、ビックリする心臓っ、おい!」


自分でも何を言ってるか分からない程に動揺しつつも、慌てて否定する。


「お前……マジか……。そこまで進展して……」


「いやいやいやいや―――ってっ、ゴリラっ! お前ずっと一緒だったろ! 四つん這いで、おい!!」



「うおっ、やめっ……。く、苦しっ……」


右手を伸ばし、ゴリラのネクタイを今出せる最大の力で締め上げていると、背後で「がはははは」と豪快にじろさんが笑い始めた。


て言うか、ほんと臭いや……このオヤジ。


「なんだよ、クサ男。て言うか、ほんと臭いぞっ。ニンニク男爵―――いや、ニンニク皇帝か?」


「てめっ、皇帝って無茶苦茶くさそうじゃねえかっ! つうか、なんで?!  ねえ、なんでてめえらは臭くないのっ?!  なんでけぇ?!」


「やめろっ、近づくんじゃねえっ! なんでって、このお方のおかげに決まってるだろ! 俺とゴリラはこのお方のおかげで口臭も舌の感覚も無くなったんだよっ!」


「だ、か、らっ! そやつは誰なんだ!」


「だから! このお方は―――――」

と、アリスとじろさんに説明しようとした時……。


「側室だ」


顔を上げ目を擦りながらどらさんは物凄い事を言った……。


「え……」


「なっ……そくっ……」


「まじ、けぇ……」


「うせやろ……」


「……」


いや、さ。俺が大名だったら極々自然だろうけど……。もしくは国が違えば、良かったのかもしれない……。だが、この国では現在、一夫一婦制であり側室は不貞行為になる訳で……ていうか、まず、普通の学生の身分でそれ言われるとさ……


「セフレのようなもんじゃないか……。今で言ってみると……」


何度擦っても視界が戻らないのか、目を閉じたままずっと手を当てているどらさんに視線を向ける。


「……」


目は合っているのだが、どらさんは口を開かない。


「いや、どらさん……? 冗談って言って?」


「……」


そればかりか、目が少しずつ閉じていく。


「いや、あの……どらさん?」


「……すぅい~……ふぅ~……」


どらさぁぁぁぁぁぁぁぁんっ!?


「すぅい~……。すぅ~……ぐぅ~」


爆睡ぃぃぃぃっ!? え、さっきの「側室だ」って寝言っ!?


「おいぃぃぃぃ! そんなんあるめぇ! どんな寝言だ! 起きろ! 目覚めよ! 覚醒せよ! このっ! このぉっ!」


どらさんの両肩を掴みガンガン揺する。


「寝るなっ! 寝たら起きるぞ! アソコ的な何かが起きるぞ! ファイトだ黒田ぁっ!」

「いや、どんな起こし方やねん……。てか、無いしな。お前の言う、アソコ的な何かは」


だが「別の物はある」そう連想させ、下の深みに嵌まりそうな事を言うゴリラだ。

しっかし、ほんといつまで四つん這いだな、コイツ。


「いやっ、まあ、そんなことはよい! 起きろ! 起きるんだ青猫っ!」


更にどらさんを揺さぶるが全く起きる様子が無い。


「ちょっとぉぉぉっ! まじで起きてくれってぇっ!」


こんな意味分からない誤解でも、何故か殴られる可能性がっ―――って、あれ……?

そういや、アリスの奴、さっきから一言も発してないような……?


「……」


恐る恐る、背後のアリスに顔を向けて見る。


「側室……セフレ……アソコ的な……何かっ……」


うつ向きがちにそう呟く顔は真っ赤に染まっていた。


「……むっつりスケベか、お前」


一人想像してご馳走様ってか?


「ち、違う! 断じて私は――――」

「そうでぇ!!」


激しく否定しようとするアリスとじろさんの唐突な言葉が被り、結果“アリスは断じてむっつりスケベである”と言う空気が場を包む。


「そうか……。いや、わかってたけど、やっぱり、アリスはむっつりスケベやったんや」

「みたいだな」

「けぇ~っ。鬼白はまだまだ青いねぁ~」


野郎三人顔を見合わせ笑う。


「違っ―――死ねっ! もう死ねぇっ! 死ねっ! 死ねっ! 死ねぇっ! 貴様等ぁっ!」

アリスはそう言いながら俺達三人へ次々に平手打ちを食らわしていった。


「いってぇ……」


「俺っちぃ……先生なのに……」


ゴリラとじろさんは涙目で左頬を擦っている。

とか、冷静に言ってるがそうするのは分かる……。マジで痛い。


「漫画みたいに手形とかついてんじゃないか……?」


とか言いながら、頬を擦っていると


「アトラクション並みに揺れた。驚いた」


間近から、文法的にも声質的にも全然驚いて無い言葉が聞こえ、視線を下げると……。


「あ、やっと起きた?」


俺がアリスにビンタされ体勢を崩した時に眠りから覚めたのだろう、どらさんは上体を起こし「どうしてくれんだ」と言わんばかりにアリスを睨んでいた。


「ああ! やっぱりでぇ! おめえ、黒田じゃねぇけぇ!」


睨まれているアリスが口を開くより先に言葉を発したのはじろさんだった。


「……」


どらさんはアリスからじろさんへと視線を移し……。


「うるさい」


と一言返す。


「うるさいって、おめえ。俺っちは―――」


「うるさい。下着泥棒」


「えっ……」


どらさんの一言で俺とゴリラとアリスは固まった。


「下着……泥棒……?」


「え、なに?このおっさん……泥ったの……?」


ま、まじ……? いや、そう言われればそう見えなくないが……そう見えるだけにしといて欲しいような……。


「ち、ちげえっ! 俺っちはそんなことしてねえっ! そんな目で見るんじゃねえ!」


「うわぁ~マジかじろさん。その反応黒だろっ。このゴミ教Shitっ」


「し、下着泥棒なんか、げ、ゲスだっ!ほんとにゲスだっ!」


「最悪やでぇ……。なにがって、そんなんの生徒いうのが……くそやなっ」


期待していたかは別にして、俺達三人は裏切られた気分でいっぱいだった。


「お、おい、てめえ等! 俺っちはちげえって言って―――」


「黙るのだ。変態アルマジロ」


どらさんはじろさんの言葉を遮ると、ようやく俺の脚の上から退くと、じろさんの元へと歩みより……。


「これを忘れたとは言わせないぞ、変態」


白衣のポケットから出したらしい、なんだか黄色い物をじろさんに突きつけた。


「こ、これぁ……もしかして……」


じろさんはその黄色い物に見覚えがあるらしく、どらさんから受け取ると色んな角度から眺めては「は~ん」だの「ふぅ~ん」だの言い、一人納得している。


「それなに? パンツ?」

そんなゴリラの問い掛けにどらさんは……。


「うむ。腹巻きだ」


と、答え


「いや、「うむ」じゃないやろ。パンツちゃうんやんか。腹巻きやん」


と、ゴリラが返すが……。


「そうだ」


と、どらさんはじろさんを睨んだまま素っ気なく返すだけだった。


「うん……」


一体何があったのか……やはり気にはなるところだ。だが、どらさんが関わっているということは、恐らくあの黄色い腹巻きもどらさんの発明による物で、下着泥棒とか言う犯罪行為を表す言葉も飛び出している所を見ると、一人のゴミの知られざる過去が露になりそうで、なんか恐ろしくもある訳で……。


「いやぁ……まいったな、こりゃ」


聞きたいけど聞きたくない。僕はそんな矛盾した気持ちです。


「……」


因みに、ゴリラも同じ気持ちなのか、どらさんに取り付く島が無さすぎてなのか黙っています。四つん這いのままだ。


これは聞かない方がいい。



そう心に決めたときだった……。


「何があったんだ?」


この手の話題に一番弱く、さっきまでむっつりしてた彼女が、まさかの切り込み隊長を買って出てしまった……。


「おう。よく聞いてくれたぜ、ボインの姉ちゃん」

「ぼ、ぼぼ、ボインの姉ちゃんっ……」


どらさんのセクハラオヤジ風な言葉に早くも陥落気味のボインの姉ちゃん(アリス)だったが、どらさんは気にせず話し出した。


「実はよぉ。ワシがこの学園に入学したての頃によぉ。コレをよぉ? 作った訳だわ、さ」


どらさんは「さ」を発音する時の口の開きのまま止まる。


「いや、何やねんその腹立つ顔っ! なんで固まんねん!」


すかさずゴリラがツッコンむが、それも気にせず再びマイペースでどらさんは話し出す。


「透明人間に憧れてよぉ? 透明人間になれる物作った訳だ。それがコレっちゃね」


どらさんは未だ感心した様子でじろさんが眺めていた黄色い腹巻きを、シャッと猫のパンチの様な素早さでぶんどり、アリスに渡す。


「こ、これが透明腹巻き……inボインの姉ちゃん……」


受け取ったアリスは驚きとむっつりでよく分からないまま見下ろし、これまたよくわからないことを呟いた。


「で、ソレ使って、このオヤジはドロった……と?」


「俺っちはドロってねえ!」


否定するじろさんを余所に「うむ」と、どらさんは頷く。


「この変態は私の秘密道具開発室からコレを盗み出し、あらかた楽しんだ後返しに来たのだ。こっそりと」


どらさんに人差し指を突きつけられたじろさんは目を半端なく泳がせ……。


「ううぅん、あ、いや、うぅんうぅん」


と、言葉にならない声を漏らしながらら首を振る。言うまでも無く黒、真っ黒だ。


「あぁ……」


なんつうか、なんだか気になる部分は沢山あるんだが……。


「じろさんよ。盗んじゃ駄目だろ。道具もパンツもさ」


とりあえず、叱るのが先だな。


「お、俺っちは、た、確かに道具は勝手に使ったが、ぬ、盗んでねえっ! ちょっと覗いた、だ、だけでぇっ!」


いやいやいやいや……。


「同じだからそれ。延長線上の犯罪だから。旅行行って土産買うか買わないかくらいの違いだから」


「土産じゃねぇよ! パンツでぇ!」


「は? お前、なんでそこにキレる……」


コイツもしかして……。


「お前、ゲロったんじゃねえの!? つうか、ゲロったよな!? お前やっぱ取ったんじゃねえか!!ハゲどんぐりこらぁっ!!」


落ち着いて聴取を取るのはここまでだ。コイツ(じろさん)の生徒である俺が責任持ってキチンと警察に突き出す。


「げ、ゲロってねえよ……。お、俺っちは取ってねえ……」


「いいや、嘘だね!勢い無くなってるものさ!それに家宅捜査したらすぐ分かんだから今の内、自首しろ!」


「そうだバカ、アホ、変態。なんか臭いオヤジめぇ」


便乗して、どらさんも文句を言いまくる。


「と、取ってねえって……。お、俺っちはただ、在校生のナチュラルな学園ライフを探るためにだなぁ……」


「嘘つけ!何がナチュラルな学園ライフだ!お前が知りたいのはナチュラルな裸だけだろうが!」


「あわよくばパンツだろぉ?染みかぁ?染みがいいのかぁ~?」


更に便乗して、なんか好みを聞き出すどらさんだ。


「ち、ちげえ、ちげえけぇ……。イジメがねえか……そ、そんな感じだったんだけぇ……」


「盗んだパンツをお前が虐めてただけだろうが!もういいっての!」


「嗅いで擦るぅ?それとも擦って嗅ぐヘヴィプレイ?性病と言うデメリットはこの際関係無い?Why?」


なんかうざいな、どらさん……。


「こ、擦って嗅ぐぅっ……?! 私たちのを……♀♂○×△□……」


むっつりには刺激が強すぎる……。わかるよ、アリスちゃん。


「あの、どらさん。援護射撃はいいけど、なんか濃いよ。ムッツリは想像力計り知れないからさ、ほら、鬼白さん固まってるからね」


爆発しそうな位に真っ赤な顔でうつ向いているアリスを指し示す。


「うむ……?おおっ?」


どらさんはゆっくり振り返りアリスの様子を確認すると、直ぐ様興味津々な様子で歩み寄っていき……。


「ほうほう、これはこれはこれはぁ~……」


目一杯に手を伸ばし、アリスの頬をツンツンし始める。


「や、やめろっ! 何をするっ! 突っつくな!こらっ、やめっ―――」


アリスは当然ながら頬ツンツン攻撃を嫌がるが……。


「うりゃうりゃうりゃ~」


嫌がれば嫌がるほど、どらさんはエスカレートする。


「やめないか、こらっ!ホントにやめっ―――キャーーッ!!」


どらさん完全にセクハラオヤジ化しているな……これはアウトなゾーンを攻めてる悲鳴だ。


「…………」


まあ、アリスはお堅い所もあるし、どらさんがからかいたくなる気持ちはよーーく分かる。

だから、とりあえず捨て置こう。存分に親交を深めてくれたまえ。お二人さん。



「美少女が組んず解れつけぇ。かぁ~~っ、たまんねぇっ!」


クズが……反省の色など全く感じない発言をしてる。

しかも……。


「なあっ!おい!」


と興奮を露に同意まで求めてきた。


「黙れ、犯罪者」


俺が言うのも変だがクズにそう返す。


「けっ、連れねえな。俺っちとおめぇは―――」


「だからーっ!ティーチャーとスチューデントだって言ってんだろうがっ!!一人の生徒捕まえてフレンドフレンドって、お前どんだけ学園で浮いてんだよっ!!」


何回目だこのやり取り!


「う、浮いてねえよ……。そ、そんなおめぇ……浮いてねえ……」


「お、おいおい。なんだその、リアルで浮いてますみたいな生々しい返し」


マジだったのか?いつものノリで言ったのに、コイツほんとに……。


「……」


「お、おいっ、なんか言えよ。もっとこういつものようにガツンと来いよっ」


黙ってうつむくじろさんにかかって来いとジェスチャーを送るが……。


「……」


全く見向きもされず、物凄く元気がない。


「マジかよ……」


いや、それも理解できるけど、本当に浮いてんのかよ、こいつ……。つうか、意外にガラスのハートなんだな。完全に黙りこんでしまったのでなんだか、物凄く可哀想な事を言ってしまった気分になってくる。


「ま、まあ、じろさんを解ってくれる何かは何処かにいるさ。多分……な?」


と、じろさんの肩をポンッと叩いてやった。まあ、俺なりの慰めだ。


「てめっ、触んじゃねえ!何かってなんだちきしょうっ!人間に好かれねえって遠回しに言ってるだけじゃねえかっ!!」


「いや、そんなつもりは――――」


「なんなのっ!?それが励まし!?おめぇのやり方!?ふざけんじゃないわよけぇっ!!」


「おまっ、いい加減にしろよ、俺っちおいこらっ。人が折角気にしてやったのに『ふざけんじゃないわよけぇ』とか江戸っ子のおネエか、アホっ!!」


ちっ、ちょっと心配して損したぜ。


「俺っちはおネエじゃねえ!正真正銘のちょっぴりエッチなおっさんだ!」


大声でそう主張するじろさんだが……。


「ああ~はいはい。分かった分かった~」


めんどくさくなり適当に流す。


「そういえばさ……」


そんなやり取りをしていると、四つん這いでずっと黙っていたゴリラが急にこんな事を言い出した……。


「ロピアンと寝子、何処行ったんやろな……?」


と。


「確かに。コンビニまでそんな距離無い筈なんだけど……」


奴等は何処のコンビニへ行ったんだろうか?


というか、そもそもコンビニへ行ったのかあの馬鹿二人。



………………。


…………。


………。




「ああ~~~。いい天気だね~」


「そうですね~。寝子も勝てませんよ、この天気は」


「だね~~~……。僕達、何しに来たんだっけ?」


「裏山に日向ぼっこです」


「あれっ?そうだっけ?」


「はい。少なくとも、僕の今の予定は日向ぼっこです」


「そっかぁ……。じゃあ僕も」


………。



……。



…。




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