プロ顔負けの完成度

90年代のコバルト文庫が好きだった人はきっとハマる作品。
復讐に囚われた四つの公爵家が狙うのは、簒奪者ブルーメンタール家の当主ゲオルクの失墜。中でも親友を奪われた公爵令嬢エリザベトの憎しみは深く、狂気さえ漂わせている。けれど物語が進むにつれてエリザベトと読者の予想は裏切られ、驚きの結末を迎える。
退廃的な世界観とキャラクターが丁寧に作り上げられていて、驚くほど完成度が高い。最近の少女小説で、ここまで設定がきちんと練られているものはそうそうないと思う。このまま無料作品の山に埋もれているのは実に惜しいなぁ。

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