フォロバ
最近大学のサークルに来なくなった先輩からメールがきた。
「SNSフォローしたよ! フォロバしといて!」
苦手な先輩なので無視した。
翌日、またメールがきた。
「あの映画観たんだね! 俺も好きなんだよ!
ところで、フォロバお願いします!」
気持ち悪かったので、やっぱり無視した。
翌日、まただった。
「レストラン行ったんだね! パスタ美味しかった?
忙しいかもしれないけどフォロバお願いします!」
そういえばあの先輩、ストーカー行為で他のサークルを除籍になってうちのサークルに入ってきたって噂があるよな。本当なのかも。
今回も返事をしなかった。
そんな感じで10日ほど連続でSNSの内容についてのコメントと、フォロバを催促するメールが届いた。
どれも無視した。
そもそもなんでSNSのダイレクトメールで連絡しないんだろう。あのSNSの使い方をよく分かってないのかな?
ある日、こんなメールがきた。
「いい加減にしろよ。フォロバするだけだろ、何日待たせんだよ。
お前の家分かるんだからな。お前のベランダの景色の写真から分かったからな。
嘘だと思うか? ◯◯市 ◯◯区 ◯◯◯ 4丁目 ◯◯マンション401 だろ?
お前んち行くぞ。もう逃げられないからな」
どうせただの脅しだ。気にしないことにした。
数日後、大学中でちょっとしたニュースが話題になっていた。
あの先輩が、留守中の人の家に侵入したところを目撃者に通報されて捕まったらしい。
殺すつもりだったらしく、バッグからナイフが何本も出てきたらしい。
やっぱり変な人だったんだなと思いながら話を聞いていた。
さて、私は件のSNSをやっていない。
先輩は、一体誰のアカウントを私と思い込んでフォローしていたのだろう。
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