ある一家の殺人事件

ある街に住むある一家

そこで殺人事件が起こった

お母さんとお父さんとお手伝いさんが殺された


一人残った子ども、泣きながら探偵に頼んだ

「必ず犯人を見つけて」


探偵は優しく答えた

「必ず犯人を見つけるよ」


しかし推理をした探偵は、とんでもない真相にたどり着いた


そんなはずはない、そう思って何度も推理し直した

だけど何度やっても、同じ結論に至った




事件のあった日のお母さん

子どもと一緒に遊んでた


「いい子だねー」

子どもはお気に入りのぬいぐるみを撫でていた

ぬいぐるみには毒針が仕込んであった


しばらく撫でてから、子どもは別の部屋に行ってしまった

針に触らずにすんだんだ


どうしてだろうとぬいぐるみを持ち上げたお母さん

自分のしかけた毒針が刺さって死んだ




事件のあった日のお父さん

子どもと自分にお茶淹れた


「こんなにいっぱいいらないや」

子どもはお茶がたくさん入った自分のコップと、お茶が少し入ったお父さんのコップを取り替えた


そうとは気付かなかったお父さん

子どもに淹れた毒入りのお茶を飲んで死んだ




事件のあった日のお手伝いさん

外に遊びに行く子どもを見送ってた


「行ってきまーす」

子どもが背を向けたとたん、お手伝いさんは後ろ手に隠していたナイフを振り上げた

ところが、足を滑らせた

ナイフが手から離れて宙に浮いた


仰向けに転んでいたお手伝いさん

落ちてきたナイフが刺さって死んだ




子どもが大好きだったみんなは、子どものことが大嫌いだった

偶然にも同じ日に、それぞれの方法で子どもを殺そうとして、それぞれ失敗して死んでいた




探偵は頭を抱えた

さて、あの子になんて説明しよう?

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