ことわざの勉強

「はい次ー。『どんな名人でも失敗することはある』という意味のことわざは何も筆の誤り?」


「えっと…坊主も筆の誤り!」


「なんて名前の坊主?」


「…坊主は坊主だろ」


「はい残ねーん。正解は『弘法も筆の誤り』でしたー」


「あーもう!坊主なんだから坊主でいいだろ!そもそもなんでことわざなんてわけわかんねーもん覚えなきゃいけねーんだよ!」


「テストのため、だろ?でも本当はテストなんか関係なく、由来知れば面白いんだよなー。やっぱ昔の人の知恵ってすげーよ。そっちにはわかんないだろうけど」


ぱくっ、もぐもぐ


「あ!お前何自分だけお菓子食ってんの⁉︎俺にもちょうだいー、ってかどっから出したの?」


「残念でした〜。これ1個しかないんですう~」


「腹立つ!」


「はい次の問題ー。 『素早く事をする、油断のならないさま』という意味のことわざは生き馬の何を抜く?」


「逃げるように次の出題すんな」


「ほら、答え何?」


「んー…毛?」


「馬に毛なんかいっぱいあるだろ」


「だーもう!わかるわきゃねーだろ!」


「はい、答えは『目』でしたー」


「目!?グロっ!」


「んなこと言ったって目なもんは目なんだよ」


「つーかこれに限らずことわざって、もっと違う言い方できただろっていうやつ多くねえか?なんで馬の目抜かなきゃいけねーんだよ」


「でもこれ、結構的を得てると思うぜ。確かにあいつらメチャクチャ暴れるから細心の注意払わなきゃダメなんだよ。俺は上に乗ってこう、片方の腕で首を固定してピンセットでサッと出すやり方が一番やりやすいな。まあ、人それぞれだろうけど。あと、ついてきた神経ちぎるのって楽しいけど地味にめんどいんだよな〜」


「…あのさ、さっき食べてたデカくて黒いグミみたいなのって…」


「だからあれ1個だけだって」

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