第四百話 『導電性』

「ふっふっふ!秘密はこちらでございます!」

サラは『籠手弓矢 - アローガントレット』にロープで繋がれた、矢を自動で回転させ矢を戻しながら言った。


===

「あ、普通のロープじゃないのか!」

僕はサラが見せた『籠手弓矢 - アローガントレット』をよく見た。彼女がいま矢を引き戻そうとして回転させているロープが普通のロープじゃないことに気がついた。


「ピンポーン!正解!」

サラは嬉しそうに僕に言った。

それはアスカちゃんと二人で考えたアイデアなのだろう。いままでは僕たちと考えていたけど、新たな友達と考えることができるようになっていた。


「すごい。オンラインRPGをマスターしつつある」

僕がつぶやく。そう、オンラインゲームの醍醐味はそうやって、友達から、ゲームの機能や技を学んで、いままでできなかったことができるようになることにある。


「おお!私RPGマスター!?」

サラはすごい喜んだ。

しっかり確実にRPGマスターに向かっいてるサラだった。


「いや、すごいよ。そのロープが導電性で、わざと当てずにかすらせて、鷲を失神させたんだね」

僕がサラがやったことを説明した。

サラの『雷迅 - ライトニング』と相性の良い、道具を使って、新たな敵を対処したのだ。素晴らしいとしかいいようがない。


「サラちゃんすごいです!」

奈緒子も言う。

そう、あの初心者だったサラがどんどんスキルアップしている。僕と奈緒子はある程度RPGが好きだから、サラの上達に驚いている。


「わぁい!ありがと!ふふ、アスカちゃんのおかげだね」

サラはそう言って、『籠手弓矢 - アローガントレット』をうっとり見てる。


「そして、サラの身体能力がなければそれは普通はできないことだからね」

僕が言う。

そう、サラがやってのけたのはかなりの高等技術なのだ。


「え、そうなの?」

サラが驚いている。

彼女にとっては当たり前のことだからだ。


「だって、狙って外しただろう!」

僕が言う。

そう、彼女は狙って外したのだ。

それは狙って当てられる技術があった上で、かするように撃ったのだ。


「うん、そう!」

サラはケロリと言った。

普通の弓矢とは違って、狙いを定めて引き金を引くという武器は彼女にとっては、体術の延長だからできるのであろう。


「そう、あとはこれがちゃんと狙ったところに行くのがすごいよね」

サラが言う。

そう、このラスト・オンラインはそういうところがしっかりしている。


「やった!だいたい目標は達成したね!」

サラが言う。


するとひとつの人影が。


「おもしろいことやってるね!サラ!」

そこには1人の若者が現れた。名前欄にはサクラダと書いてあった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る