第三百九十八話 『滞空』
「さぁ、取り返しに来なさい!鷹ちゃん!」
サラが鷹に向かって叫んだ!
===
「ジュン!狐さん預かってて!」
サラはそう言って僕に鷹からの攻撃を救ってあげた狐を僕に渡した。つまり鷲の標的がサラから僕にかわったというわけだ。
「サラ、どうするつもりなの?」
僕はサラに言った。
標的を僕に変えて、サラには何か狙いがあるらしい。
僕が抱えてたら、多分鷲に取られてしまう。
「こうする!」
サラは言ってスキルを発動させた。
『雷迅 - ライトニング』
バチィバチィィィィ
彼女はスキルを発動した。
「そうか、電撃で失神させて捕獲するんだね!」
僕が言う。
彼女のスキル『雷迅 - ライトニング』は電撃を纏うスキル。彼女はそれを使いこなし、高速移動や電気ショックを与えたりできる。
「さぁ、ジュンがもってる狐さんを奪い返しにきなさい!」
サラはそう言って迎撃の構えを取る。
彼女は反射神経がいいので、カウンター攻撃もうまい。
高速ではあるが一直線に飛んでくる鷲と戦うのは得意といえるだろう。
「ギェェェェェ」
鷲が吠える。
そして高スピードで滑空してくる。
恐ろしい速さだ!
「きました!ジュンさん頑張って!」
奈緒子が僕を応援してくれる!
「え、頑張るってどうやって??」
僕がうろたえる。
敵の視線を集めてうまく戦うということに全然なれてない。サラはいつもこのプレッシャに耐えているのか。
「とりあえず・・・走って!」
サラが僕に指示をだす。
走れば鷲もタイミングをあわせないと狐をとれない。
「りょ、了解!」
僕はそう言って走り出した。
確実に鷲に狙われている視線を感じる。
正直にいって怖い!がサラを信じて走る!
「ギェェェェ」
鷲が叫びながら、僕の方に飛んでくる
「きたぁぁぁ」
僕はそう言って走る。
走る。走る。走る。
「させるかぁぁぁぁ、サラ電撃キィィィィック!」
サラは僕に当たる手前を狙ってカウンターのキックを放った。
「ギェェェェ」
鷲はその瞬間軌道を変え、僕を狙うのではなく、サラの攻撃を避けるため上空に向かった。
「え、はずした?」
僕が言う。サラが珍しく攻撃を外していた。
つまり、鷲にも読まれていたのだ。
一回目にサラの身体能力を見せてしまっていたからだ。
「よし、そうくるよね!」
サラはそう言って、更に走り出した。
「え?」
僕は驚く。
サラはこの行動を読んでいたらしかった。
「そう、鷲ちゃんは、攻撃を外したら、その場所に滞空するんだな!」
サラはそう言いながら、そこに向かって走っていった。
「すごい。でもさすがに、あの高さにサラは届かない」
僕が言う。
「そう、そのとおり!でもこれがあるんだな!」
サラは、そう言って『籠手弓矢 - アローガントレット』を空中で構えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます