第三百三十四話『空中攻撃』

「僕にはできない・・・」

僕は言う。

相手を遅くした場合はギリギリ僕でもできるかもしれないが、自分を早くする場合は僕の運動能力では反射神経が追いつかない。


「とりゃ!」

そう言って、美少女格闘家のララは『キングウォーゴーレム』に蹴りを放った!


===

「グオォォォォォ」

美少女格闘家ララの攻撃を受けて『キングウォーゴーレム』が吠える。


そして、攻撃してきたララに対して、反撃しようとララの方を向いた。前回とは違って、『スローダウン』をうけているわけではないので、通常の動作をしている。


「ふん、もうあなたの相手をするのは私じゃないわ!」

『スピードエリア』の中にいるララは、『キングウォーゴーレム』の攻撃をひらりと避けてもう一体の『キングウォーゴーレム』の方に飛び移ってそのまま攻撃に移る。


「グオォォォォ」

逃げられた方の『キングウォーゴーレム』が叫ぶ。


その声が届かないかのように、ララは次の行動に移る。

『スピードエリア』の効果でただでさえ早いララの動きはさらに高速化している。


「とりゃぁ」

そう言ってララは『キングウォーゴーレム』もう一体に蹴りを放った。


軽く、すばやく、空中攻撃をこなすララ。

控えめに言って美しかった。

その蹴りはしっかりと『キングウォーゴーレム』に命中した。


「グオォォォォ」

もう一体の『キングウォーゴーレム』もダメージを受けて叫ぶ。大きな二体のうめき声が響き渡る。その声はが体にビリビリと伝わる。さすがハイエンドゲームのラスト・オンラインだ。


「じゃあ、あとはよろしく、タカヒロ!」

ララはタカヒロに言う。

重厚なボスのBGM、響き渡る低いうめき声の中、ララは軽いトーンで言った。


「もちろんだ」

すでにタカヒロは『キングウォーゴーレム』に届く範囲に移動していた。


「サクっと終わりにさせてもらうよ!」

タカヒロはそう言って、武器を構えた。


SSクラスの武器『グングニル』を!


「でた!!」

美少女格闘家のサラがその様子を見て言った。


「いくぞ!」

タカヒロはそう言って、『キングウォーゴーレム』に狙いを定める。


「グオォォォォォ」

迫ってくるタカヒロに向かって『キングウォーゴーレム』は吠える。


その瞬間。


タカヒロは突きを放った。


キィン


空気を切り裂く音が耳に届く。


「グオオォォォ」

攻撃を受けた『キングウォーゴーレム』は叫び声とともに、消滅した。


「すごい。的確に弱点である頭を狙った!」

僕が叫ぶ。


最強クラスの武器グングニルにプラスしてこの身体能力。

エイム。

さすがに、ここまで来た相手だと言える。


「まだ、終わりじゃないよ?」

タカヒロが僕達の声に答えるかのように言う。


「え?」

ぼくは声を出した。


「これが、剣と槍の差だ!」

そう言ってタカヒロは一瞬で槍を引き、さらにもう一体の『キングウォーゴーレム』に向かって突きを放った!

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