第三百十八話『ジュンのバカ』

しかし、戦いはまだ終わらない!


「グオオォォォ」

唯一無傷の『キングウォーゴーレム』が、スピードの遅くなっている、サラの元に走り出した。


「させるか!!」

そして、僕も同時に走り出した。


---

「このままじゃ間に合わない!奈緒子!!」

僕は走りながら、奈緒子に強力を求めている。

このままの速度では到底、『キングウォーゴーレム』に追いつけない。スローダウンで身動きが取れないサラがやられてしまう。


「はい!!スピードエリア!!」

奈緒子は、僕の意図を組んで、エリア内にいるとスピードが上がる魔法スピードエリアを唱えた。

彼女が、僕とサラの間にちゃんとエリアを発動させた。


「助かる!」

僕は奈緒子に感謝しながら、全速力で走る。

とても速いとはいえない僕の脚力だが、スピードエリアを使うことによって、それなりの速度が出ていた。


「しかし、このまま攻撃するには、足りないか・・・」

僕はそう言いながら、覚悟を決める。


「サラ、ちょっとごめんよ!!」

僕はそう言いながら、サラを抱きしめる形で、飛んだ!!


「ジュンさん!!」

奈緒子が叫ぶ。


「ぐは!!」

僕は『キングウォーゴーレム』のダメージを受ける。

バーチャルウォーカーに振動がはしる。

はしるが・・・


「0」

と、ダメージが表示される。


『神の鎧 - ゴッドメイル』の効果だ。

全ての物理攻撃のダメージをゼロにする。

SSSクラスの防具だ。


「きゃっ!!」

サラは僕に抱きかかえられたまま、倒れた。


「ごめん、これしかなかったんだ!!」

と僕はつぶやく。


「う、うん、いいよ・・・ありがと・・・」

顔が近くなり、顔を赤くするサラ。


「奈緒子!頼む!!」

僕は、奈緒子に合図を出す!


「わかりました!!」

奈緒子は返事をして、道具を取り出す。

そう、この状態を解決する道具だ。


「バーストジュエル!!」

奈緒子はそう言いながら、モンスターは弾き飛ばすアイテム、バーストジュエルを『キングウォーゴーレム』に向かってなげた。


「グオオォォォォ」

『キングウォーゴーレム』は吹き飛ばされた。


「これで、一呼吸」

僕はつぶやく。

そう、サラが『雷迅 - ライトニング』で攻撃を加えた、『キングウォーゴーレム』。いま奈緒子がバーストジュエルで吹き飛ばした『キングウォーゴーレム』。


2体の『キングウォーゴーレム』が倒れている状態だ。


「よし、そろそろ決着をつけよう!」

僕はそう言って立ち上がり、サラに手を伸ばし、サラが立ち上がるのを手伝った。


「ありがと・・・かっこよかった・・・」

サラはそう呟いた。


「え?」

僕にはその声はよく届かなかった。


「なんでもない!ジュンのバカ!」

サラがそう言った。


「え?なぜ!!」

僕はサラに言う。


「よしっ、体が元に戻った!!さ、『キングウォーゴーレム』ちゃん覚悟はいいかな!!」

サラはスローダウンの効果が解けてそういった。

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