第三百十三話『詠唱』
「くっ、狙われているようやな・・・」
珊瑚はそう言った。
「グオォォォォ」
先についた『キングウォーゴーレム』が珊瑚に攻撃を放った。
---
「珊瑚ちゃん危ない!!」
サラが叫ぶ。
そう、まさに珊瑚に攻撃が降りかかろうとしている。
その瞬間、珊瑚か光だした。
「ショートワープ!!」
ジェムボックスの美少女魔法使い水晶が、特定の人物をランダムにワープさせる魔法ショートワープを珊瑚に向かって発動させた。
「すごい!これで大丈夫ね!」
サラが言う。
前回のステージでは、この方法で、敵の攻撃を避けて、そのまま反撃するという方法を彼女たちがやっていたからだ。
しかし、そう判断するのは早計だった。
「今回は前回とは状況が違う・・・」
僕はつぶやく。
そう、前回は、一体だけで攻撃してきていた。
なので、その攻撃をショートワープで避けて、硬直がとけた瞬間に珊瑚が斬りつけるという方法を取っていた。
しかし今回は違い2体で来ている。
「グオオオォォォ」
もう一体の『キングウォーゴーレム』が吠える。
そう、このモンスターは珊瑚が出て来るのをしっかりと見ていた。
「かなり賢い・・・」
僕がつぶやく。
そう、このステージのモンスターはかなり知能が上がっている。
2体で1人を攻撃したり、あいての攻撃を待ったり、人でもなかなか難しい行動をしてくる。
「うああぁぁぁぁぁ」
珊瑚はショートワープで空中に登場した瞬間に、『キングウォーゴーレム』の攻撃を受けて吹き飛ばされてしまった。
「ああぁぁ、珊瑚ちゃん!!」
その様子を見ていたサラが叫ぶ。
「つ・・・強い・・・」
僕もその様子を見ていて呟いた。
「うああぁぁぁ、ここまでやな・・・また遊ぼうな、サラ!」
珊瑚はそう言って行動不能になった。
「あああぁぁ、珊瑚ちゃん!!もちろんだよ!C級英雄ランク戦が終わったらすぐ遊ぼう!!」
サラは珊瑚に向かって叫んで言った。
「よくも珊瑚ちゃんを!!」
美少女魔法使いの水晶はそう言って、魔法の詠唱にはいる。
「スローダウン!!」
水晶はそう言って、敵のスピードを下げる魔法を『キングウォーゴーレム』一体に向かってかけた。
「アタッカーいないとかなりきついね・・・」
僕はつぶやく。
そう、アタッカーがチーム戦の攻撃の要だ。
魔法使いはあくまで補助的だ。
攻撃力そのものは『アタッカー』には遠く及ばない。
「グオォォォォ」
スピードを落とされて『キングウォーゴーレム』が咆哮をあげる。
「ありがと」
瑠璃が水晶に対して言う。
彼女はそういいながら、呪文の詠唱に入った。
「かなり長いな・・・大呪文か・・・?」
僕はつぶやく。
そう、魔法詠唱の時間と、攻撃力は比例関係にある。
かなりの大呪文を用意しているのではないかと僕は思った。
「そうよ、ジュンくん!」
水晶が僕の推理に答えてくれた。
そして、瑠璃の詠唱が終わった。
「タイフーン!!」
瑠璃は呪文を発動した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます