第三百八話『サラのハイパープレイ』

「グオオオォォォ」

『ハイパワーウォーゴーレム』がサラに高速で近づき、攻撃を加えようとする。


「行きます!!『ショートワープ』!!」

奈緒子はそう言って魔法を唱えた。


「よし!カモン!!」

そう言ってサラが消えた!!


---

「お、消えた消えた!」

僕がその様子を見ながら言う。


「よし、そのままウォーターだ奈緒子!」

僕は、奈緒子に合図を送る。


「はい!行きます!」

奈緒子は、サラのワープが完了するより速く、次の魔法の準備に取り掛かった。そう、この作戦は、ワープとウォーターをなるべくはやく打つ必要がある。

なかなか奈緒子への負担が多い作戦だった。


「ウォーター!!」

奈緒子は、素早く、サラという目標を見失った『ハイパワーウォーゴーレム』に対して水の呪文を発動させた。


「グオオォォォ」

『ハイパワーウォーゴーレム』は水の魔法をくらい、大きくうめき声を上げた。


すると、パッとサラが空中に現れた。


「あれぇ??『ハイパワーウォーゴーレム』ちゃんがいないぃぃぃぃ!!」

サラが叫ぶ。


そう、この魔法。ショートワープはどこにワープするかわからないランダムワープの魔法だった。目標の敵の近くにいけるかも、その方向を向けるかもわからない。使い勝手のわるい魔法だった。


「サラ!すぐ後ろだ!振り向いて攻撃すれば届く!!」

僕がサラに対して言った。


「うん!ジュン!ありがとう!でも、それはめんどくさい!このまま攻撃する!『雷迅 - ライトニング』!!」

サラはそう言いながら、そのまま電撃のスキル『雷迅 - ライトニング』を発動させた。


「え?どうやって!」

僕は驚く。そのまま攻撃する??


「サラ、サンダーオーバーヘッドキーック!!」

サラはそう言いながら、クルッと後ろに回転し、そのまま天から叩き落とすように、『ハイパワーウォーゴーレム』の頭に向かって蹴りを叩き落とした。


「まじか・・・」

僕は驚く。


相変わらずの身体能力だった。

サッカーで言うところのオーバーヘッドキックのような態勢になって、自分の後ろにいる敵に蹴りを加えた。


「グオオォォォ」

『ハイパワーウォーゴーレム』がうめき声をあげる。

サラの攻撃は頭に当たりクリティカルになった上に、水属性の攻撃を事前に受けていた『ハイパワーウォーゴーレム』に『雷迅 - ライトニング』が大ダメージを与えた。そして『ハイパワーウォーゴーレム』は消滅した。


「おっとこのスキに僕もやろう。『疾風』!!」

ぼくは、『ハイエリートウィザード』に遠隔斬撃『疾風』を放った。『ハイパワーウォーゴーレム』にスピードエリアをかけて、スキができていたのだった。それを僕は逃さなかった。


ズバアアァァァァン


「グオオォォォ」

僕の攻撃は的中し『ハイエリートウィザード』が消滅した。


「相変わらずめちゃくちゃな身体能力やな!」

珊瑚がサラのスーパープレイを見てそう呟いた。


「すごい」

瑠璃もつぶやく。


「ほんとすごいわね!でも負けないわよ!」

水晶がそう言った。

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