第三百七話『サラの信頼』

「『ラスト・オンライン』は最新の物理エンジンを使っているから、そのへんしっかりしてるんだ。だから、さっきの瑠璃のアイス、ウォーター、サンダー、サンダーが大ダメージを与えたんだ。」

僕が言う。


「瑠璃ちゃんすごい!」

サラは一連の瑠璃の連続攻撃を理解してそう言った。


---

「さて!いいもの見たし試したいよね!」

サラがいい出した。

そう、僕らは今かなり良い上級者の戦い方を見ることが出来た。元A級ジェムボックスの素晴らしい戦い。珊瑚と水晶のショートワープによる攻撃、瑠璃の属性を加味した連続魔法だ。


「うん、そう来ると思ったよ!」

僕はサラの提案にそう答えた。


特にサラは、珊瑚と水晶がやっていた、ショートワープによる攻撃にかなり興味を示していた。

少年の心を持つサラにはかなり興味深いゲームならではのワープに心動かないわけがなかった。


「ワープと、ウォーターと『雷迅 - ライトニング』の連携攻撃ですね」

奈緒子が、サラの要望を具体的な形に落とし込んだ。

そう、こういうコミュニケーションが重要だ。


「なるほど、なかなか、奈緒子が忙しくなる感じだ」

僕は言った。

そう、その作戦は、奈緒子が忙しい。


「大丈夫、奈緒子ちゃんなら出来るでしょ!」

サラが事もなげにそう言った。


「が!がんばります!!」

奈緒子がサラの提案に乗っかった。


「たしかに、これが出来るようになると、今後楽になっていくよね」

僕は二人にそう言った。


「よっし!そうとなればやろう!!あれかしてあれ!」

サラが僕に言う。


「これかな!」

僕はサラが求めてるものを予測して取り出した。


「そうそう!爆竹!」

サラがそう言う。


「よし!」

僕はそう言って、サラの近くに行く。

そして、『ハイパワーウォーゴーレム』に向かって爆竹を投げた!


パチパチパチパチィィィイ

爆竹が大きな音を立てて跳ねる。


「グオォォォォ」

『ハイパワーウォーゴーレム』が僕らの方に走ってくる。

爆竹は敵視を自分に向かせるためにつかうアイテムだ。そして、うまく行ったようだ。


「スピードエリア!」

『ハイエリートウィザード』がエリア内に入るとスピードが上がる呪文を唱えた。


「グオオオォォォ」

そのエリア内にいる『ハイパワーウォーゴーレム』が加速する。


「よし、きたよ!」

僕がサラに言う。


「オッケー、オッケー!!奈緒子ちゃんよろしく!!」

サラは奈緒子に対して言った。


よく考えるとこの作戦はかなり怖い。

自分のちからだけではなく、奈緒子の技術を信じるということになるからだ。

サラは奈緒子がかならず魔法を使ってくれることを信じているということだ。


これはなかなか難しい。


「グオオオォォォ」

『ハイパワーウォーゴーレム』がサラに高速で近づき、攻撃を加えようとする。


「行きます!!『ショートワープ』!!」

奈緒子はそう言って魔法を唱えた。


「よし!カモン!!」

そう言ってサラが消えた!!

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