第二百九十三話『ウォーゴーレム』

「あ、モンスターが出てきましたよ!!」

と奈緒子が皆に言う。


そう、今は戦闘中。

C級ランク戦第四回戦目だ。


「よし!戦闘開始ね!」

「よし!戦闘開始や!」

とサラと珊瑚が言った。


---

「今回はなにかなー!」

とサラがワクワクしながら言う。


「そうだね、前回は、『ハイスピードリザードマン』『ハイパワーリザードマン』『ハイエリートウィザード』だったね」

と僕が前回の戦いを思い出す。

かなり強い敵だった。

連携しと防御力を上げてくるということまでしてきていた。


「ハイハイパワーリザードマンかな?」

とサラが笑う。

そう、たしかにリザードマン、パワーリザードマン、ハイパワーリザードマンと少しずつ装飾されて強さがましてきている。


「たしかに出てきてもおかしくないね」

と僕も笑う。全然あってもおかしくない話だ。


「でも、さすがに、同じのを並べないで、スーパーハイパワーリザードマンとかにするかな」

と僕はゲームクリエイターになったつもりで想像した。

しかし、だいぶごちゃっとしていて、わかりづらくはある。


「たしかに、あってもおかしくないですね」

とゲーム好きの魔法使いの美少女奈緒子が微笑む。


「だいぶなんだかわからんけどな」

と珊瑚は笑った。

そう、まさにその通り、わかりづらくなったらプレイヤーが覚えきれない。


「来る」

と魔法使いの美少女瑠璃が呟いた。


「よし、勝負やで、サラ!」

と珊瑚が言う。


「オッケー」

とサラが答える。


「あ、また『ハイエリートウィザード』だ!また防御力あげられちゃう!」

とサラが言う。

そう、前回はそれでかなり苦戦したのだった。


「そして、残り二人は、ゴーレム・・・?でも色が違うか・・・」

と僕が様子を見てつぶやく。

僕らは前回珊瑚たちと一緒に『ゴールドゴーレムクエスト』をしているのでゴーレムもゴールドゴーレムも見たことがあった。


「ウォーゴーレム」

と瑠璃がその2体のモンスターを見て言う。


「ウォーゴーレム??うぉー!!って感じだから??」

とサラが僕に聞く。


「ウォーは戦争って意味だから、戦闘用のゴーレムってことだね」

と僕が説明する。

さすがにそれは、冗談だよね?と思いながら答えた。


「そうだったのかー・・・」

「そうだったんや・・・」

とサラと珊瑚がつぶやく。


「え?」

と僕が二人に聞く。


「知ってました・・・よ?」

「知ってた・・・で?」

とサラと珊瑚が言う。


「あやしぃ」

と瑠璃がつぶやく。


「あやしいよね」

と僕も瑠璃に微笑みかける。


「そういう説もあるのね」

とうんうんとサラが頷く。

説扱いされた・・・。


「グウオォォォォォ」

とウォーゴーレムが吠える。


「ほら、うおぉぉぉぉって感じじゃん!」

サラが言う。


「たしかに、グウオォーゴーレムだ!」

と僕が正確に言い直した。

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