第二百二十一話『上達』

「でも、とりあえず!難しいことは考えずに、残り2体を倒そう!」

「まだ、2:1でランコ、リンコ、レンコチームに負けてるしね!」

と、サラが言い、僕も答える。

そう、まだ僕達はリードされている。


「そう、負けは良くない!」

と、負けず嫌いの、サラが微笑んだ。

この負けず嫌いが、信じられないような身体能力を生んでいるだろうな、と僕は思っている。


「ジュンさん、サラちゃん私に近づいてください!」

と奈緒子が言う。


「うん!!」

「はーい!」

と僕と、サラが言いながら、奈緒子に近づく。


この展開は一度やったことがある。

なので、僕とサラは、一瞬で理解して、奈緒子の元に走っていった。

そう、奈緒子は『リザードマン』がそろそろイライラして、遠隔スキルを発生させることを読んでいたのだ。


「グエェェェェエ」

と『リザードマン』は案の定怒りをあらわにして、スキルを発動させた。


『獣水鉄砲- ウォーターショット』


と、『リザードマン』は、一回グッと背中を引き、ビュッと前に顔を出し、口から、水鉄砲を発射した。

そう、ランコ、リンコ、レンコの三人に対しても使っていたスキルだ。そしてそれをリンコが傘で防いでいた。


他の人の戦いを見ておくと、こういうことが先にわかるというメリットがある。


「リフレクション!」

と奈緒子はもちろんそれを読んでいて、その攻撃が届く前に、反射魔法リフレクションを発動した。


そして、その『 獣水鉄砲- ウォーターショット』は、そのままスキルを発動させた『リザードマン』の方に・・・


『跳ね返る』


そして、僕は走りだす。


その『リザードマン』はそのまま『獣水鉄砲- ウォーターショット』が跳ね返ってきたことに驚いて、自分の攻撃に、顔を撃ちぬかれて怯む。


「おおおぉぉぉ!」

その怯んでいるところに僕がSSSランクの武器『神の剣 - デュランダル』を叩き込む。

すると、最強の斬撃が「99,999」のダメージを『リザードマン』に与える。

そして、激しいエフェクトが出て、『リザードマン』が消滅した。


「ジュンやった!」

とサラが言う。


「もう一体だ!」

と、僕が言う。


そして、サラたちの方を向いているもう一体の『リザードマン』に対して、Sスキル遠隔斬撃『疾風』を放つ。


横から斬撃を受けた『リザードマン』はこちらを、振り向くのがやっとで「99,999」のダメージを受けて、そのまま消滅した。


「おおお!ジュンすごい!」

とサラが言う。

「ジュンさんすごいです!」

と奈緒子が言う。


「ホントだ!すごい!主人公みたい!」

と、僕も自分で言って笑った。

なにげにぼくも上達しているようだった。

いつまでも最強の武器に甘えているのはつまらない。


「私達も倒したんだからね!!」

とギザギザの変形剣使いのランコが言う。

彼女たちも『リザードマン』三体を倒したようだった。


「勝負は次で決めよう!」

と傘使いのリンコが言った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る