第二百二十話『武器破壊技』
「いや、『鬼神の籠手』があってもそんな動きが出来るわけじゃないからね」
と僕が笑う。
間違いなく彼女の実力だった。
習ってもいない、『ソードブレイク』も普通に使いこなしていた。
「よっし!まずは一体ね!!」
と、サラはバックステップで僕達のもとに戻ってニッコリと笑った。
「で、ジュン!『ソードブレイク』ってなに・・・?」
とサラが僕に聞く。
しっかりと僕の言葉を聞いていたらしい。
「剣を破壊することだよ!」
と僕がざっくりと説明する。
「あはは!そのままだね!さすがにソードとブレイクはわかるわよ!ソードは剣でブレイクは爆発・・・?」
と、サラが自信なさそうに言う。
あんまりわかっていなかった!
「爆発はエクスプロージョンだね。ブレイクは破壊とかだよ、つまり武器破壊技!」
と、僕がサラに言う。
よく考えると、そのまま日本語に直しただけという気もするけど。
「武器破壊技なら武器破壊技っていってくれたらいいのに!!」
と、プンプンしながらサラが言う。
武器破壊技ならなんとなく理解できるらしかった。
「で、それは何?」
と、サラが聞く。
そう、話がまったく進んでいなかった。
本題に入るように促された。
「うん、さっきのサラみたいに、武器を持っているところをうまく攻撃したりすると、武器が壊れたり、飛んで行ったりしちゃうんだ!」
「ほうほう」
と、僕の説明に頷くサラ。
さっきは『リザードマン』が剣を持っている左腕目掛けて、サラが『雷迅 - ライトニング』を纏った蹴りを放った。
その衝撃で、『リザードマン』は剣を離して落としてしまったのだ。
「すると、相手の攻撃がかなり弱くなるので、めちゃくちゃ有利になるんだよ!」
「確かに!今かなり有利だった!!」
とサラが言う。
そう、武器をもっていない、盾だけをもったモンスターになってしまった『リザードマン』は大分弱くなってしまったといえる。
「普通はそんな簡単に出来る技じゃないんだけどね!」
「へー!」
と、僕の説明にそうなのかな??という顔をしているサラ。
「武器を持っている手って、すごく高速で動く的ってことだしね。『マニュアル操作』をかなり使いこなしてないと難しいと思う」
と、僕が言う。
そんなに頻繁に見れる技ではないと思う。
かなり有利になってしまうから、当たり判定も厳し目なのではないかな、と思う。
「サラちゃんだからできる感じですね!」
と奈緒子もにっこりと微笑む。
「えへへ!そっかぁ!じゃぁまた出来るときがあれば狙ってみる!」
と、サラが言う。
「でも、とりあえず!難しいことは考えずに、残り2体を倒そう!」
「まだ、2:1でランコ、リンコ、レンコチームに負けてるしね!」
と、サラが言い、僕も答える。
そう、まだ僕達はリードされている。
「そう、負けは良くない!」
と、負けず嫌いの、サラが微笑んだ。
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